本当に実写? 再現度がヤバすぎたキャラに「すべて完璧」「あまりに自然」
マンガの実写化映画で、多くの人が気にするのは登場人物の再現度ではないでしょうか。ビジュアルはもちろん、話し方や表情といった、そのキャラ特有の魅力が、原作にどれほど忠実に再現されているかに注目や期待が集まります。
実写化でセリフがちょっとしたブームに
実写化作品において、原作の再現度は評価されるポイントのひとつでしょう。なかでも、登場人物は見た目や表情、声のトーンなど、あらゆる面で注目を集めます。そのような実写化作品のなかには、主役から脇役までさまざまな登場人物が原作に忠実で、成功を収めてきたケースもあります。
たとえば、ビジュアルや雰囲気、アクションシーンの再現度が話題となったのが、実写映画『るろうに剣心』(原作:和月伸宏)シリーズの2作目「京都大火編」から登場する「瀬田宗次郎」を演じた神木隆之介さんです。宗次郎は主人公「緋村剣心(演:佐藤健)」の宿敵「志々雄真実(演:藤原竜也)」の側近であり、剣の達人です。
一見優しい少年でありながら、志々雄の命令ならば何でも実行する残酷さを持ち、その笑顔の裏には悲しい過去を抱えているというギャップも彼の魅力です。
もともと実写映画1作目を見て、宗次郎役を演じたいと思い、代表的な技「縮地」の練習もしていたという神木さんは、多面的なキャラである瀬田宗次郎を演じるにあたり、神木さんは原作を尊重しつつ、実写ならではのアイデアを取り入れて役作りを進めていったそうです。「MOVIE WALKER」のインタビューでは、「優しい狂気」や矛盾からくる気持ち悪さを出すため「笑うべき時に笑う」ことを意識していたことを明かしています。
瀬田のシンボルである笑顔をあえて制限し、「出すべき時に理由をつけて出してみた」と、こだわりを持って演技していたそうで、ネット上では神木さんへ「そっくりすぎて驚いた」「狂気をはらんだ雰囲気、佇まい、殺陣も瀬田宗次郎そのもの」「尺の都合で宗次郎の過去回想がないのに、ちゃんと背景が見える」など、称賛の声があがっています。
そのほか、少ないセリフながらも、再現性と絶妙な存在感で話題になったのが、全体的にキャストの再現度が高い映画『ゴールデンカムイ』(原作:野田サトル)で山内圭哉さんが演じた「玉井芳蔵」でした。玉井芳蔵は主人公「杉元佐一(演:山崎賢人)」たちと対立する大日本帝国陸軍第七師団の伍長で、杉元がヒグマの巣に逃げ込んだ際に「もういい、撃とう撃とう」と言い放ち、発砲する場面が印象的です。
原作では逃げ回る杉元に対し、半ば呆れた様子で放たれるこのセリフは、その後に彼がヒグマに襲われる一連の流れと相まって、読者には強烈なインパクトを与えました。
実写映画では、ちょび髭と大きな目のビジュアルだけでなく、例のセリフがファンの期待を大きく上回ったようで、「あまりに自然で驚いた」「抑揚、テンポ、温度感のすべてが完璧」といった評価があがり、その場面だけでも大きな話題となります。顔の皮をはがされてもヒグマにとどめを刺す、衝撃のシーンも再現されました。
「実写版で最後まで戦った玉井伍長のかっこよさを再認識した」などの意見もあり、SNS上ではセリフをもじって「もういい、帰ろう帰ろう」と使う人が現れたり、映画の応援上映で玉井伍長の応援うちわを持ってきた人たちが話題になったりと、ちょっとしたブームが起きたようです。