5人の子供のお守りで「腰が!」 親御さん、保育士さんの過酷さを実体験して悲鳴
漫画家のmatchさんによる描き下ろしエッセイ。親戚の集まりで、5人の子供たちの面倒を見ることに。日々、子供たちのお世話をしているお母さん、お父さん、保育士さんたちの過酷さを思い知ります。
5人ものベイビーズの猛攻!
漫画家のmatchさん(@ninjamatch)がTwitterで公開している、レポートマンガ『#レポっした』の出張版描き下ろしエッセイ。
親戚の子供たちの面倒を見ることになったmatchさん。5人ものベイビーズの猛攻に、腰を痛めてしまいます。世のお母さん、お父さん、保育士さんたちの過酷な日々を思い、共感せずにはいられません!
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こんにちは、matchです。
皆さんは、小さいお子さんの面倒を見たことはありますか? 私は最近ありました。そこで、ひと言、言わせていただきたい。
世界のお母さん、お父さん、保育士さんはすごい人たちなのだと。彼ら、彼女らは日夜、「可動ダンベル」と戦うスーパーヒーローなのです。
先日、親戚一同が集まる会合がありまして、甥っ子姪っ子たちがそろって遊びに来てくれていました。なかには自分の膝の高さにもみたない儚い生命体こと、乳飲み子の赤ちゃんもおりました。尊い命を預かるなんてことは仕事柄、滅多にないことなので慎重にお守を遂行しました。
大人チームは3人の徒党を組み、5人の子供たちへの補助にあたりました。しかし、元気いっぱい夢いっぱいの疲れ知らずなチルドレンたちの前に、私は早々に腰を痛めてしまい、部屋の角に座り込み、よだれダムが決壊した赤ちゃんを抱え、呆然と天井のシミを数えることしかできませんでした。体力、ないんですわ……。時折、水害を防ぐために、赤ちゃんの口へおしゃぶりを差し込んだりもしました。さしっぱでいいのだね、あれは。
ベイビーズたちの構成は、上は小学生、下は赤ちゃんというドリームチームとなっております。そして彼らの体重は約10~20kgといった、非常に安定した体重を有しているのです。
初心者のダンベルトレーニングにオススメされている重量は、女性は10kg、男性は20kgが平均だそうですが、ダンベルは基本的に、何をしようとも自ら動くことはありませんよね。
しかし、生命体というものは挙動をするのです。動くのです。
昨今では、重さを可変できる「可変ダンベル」なるものがあるそうですが、彼らベビベビベイビーズは「可動ダンベル」なのです。
ダンベルでトレーニングをしたことがある方ならイメージが付きやすいでしょう。固定されたものよりも、動いているものを扱うのはとても難しいということを。流動的な、筋肉トレーニングは過酷だということを。想像してみてください。ジムに置いてあるようなダンベルが、一斉に動き出したとしら。そしてそれらが、自分に寄り添ってくるとしたら! ああ! 腰が! 腰が! 一緒に遊べないの! ごめんね、ごめんね、ごめんね!
世の、お母さん、お父さん、そして保育士さんたちはこの猛攻と日夜戦っているわけなのです。少し目を離すと、ペンを口に含んだり、シャボン玉を一気飲みしそうになったり、テニスラケットを起用に振り回すモンスターと化します。そして、玄関や窓に興味があるため、外に解き放たれようと必死です。我々見守りチームは、それらをすべて防衛せねばなりません。防衛大臣も真っ青の攻撃と言えるでしょう。
驚くべきことに、世のご両親方はこれを遂行しているということなのです。すごいことです。下手をするとヘルニア待ったなしです。
とはいえ、カワイイお子さんをダンベルだと言い張りたい訳じゃないのです。それほどまでに、大変な代物でいらっしゃると言いたいのです……。
身近に赤ちゃんがいる方、いつも本当にお疲れ様です。
身近に赤ちゃんがいるけれど、特に面倒見ていない方。
助けてあげてください!!!! 本気(マジ)で!!
仕事の方が大切だから、自分が面倒を見ると泣いてしまうから。分かる。けど、その話をしている間にも刻一刻と、面倒をみている側(サイド)は、肉体と精神が摩耗しているのです。限界すり切り一杯になっては、もはや終わりなのです。助けてあげてください。
人間は、動物の母親たちと大きく違い、一匹では子どもを育てることが非常に困難な動物なのです。
助け合って生きていきましょう。
(match)