『Zガンダム』兵器としては「デカい的」なぜ「サイコ・ガンダム」はあんなに巨体なの?
アニメ『機動戦士Zガンダム』に登場する「サイコ・ガンダム」や、その後の継機である「サイコ・ガンダムMk-II」は、作中で運用されるほかの機体と比べると倍以上の大きさでした。なぜそれほど大きくなったのでしょうか。
戦場でも大は小を兼ねる?
アニメ『機動戦士Zガンダム』に登場する「サイコ・ガンダム」や、後継機である「サイコ・ガンダムMk-II」は、通常のモビルスーツ(MS)と比べると倍以上のサイズで、作中で圧倒的な力を見せつけました。巨大な機体では的になりやすいという致命的なデメリットがあるなか、なぜ大きく設計されたのでしょうか。
サイコ・ガンダムおよび後継機のサイコ・ガンダムMk-IIは、地球連邦軍のニュータイプ研究機関「ムラサメ研究所」で開発された機体です。サイコ・ガンダムはMS形態で全高40m、「モビルフォートレス」とも呼ばれる移動用のモビルアーマー(MA)形態では全高30.2mというサイズです。同じくサイコ・ガンダムMk-IIも全高40.74mかつ、MA形態が全高33.53mと似たような大きさになります。
同じ時代に反地球連邦組織「エゥーゴ」の主力機として運用された「ガンダムMk-II」の全高18.5mや、地球連邦軍の最大軍閥「ティターンズ」で扱っていた「ハイザック」の全高20.5mという一般的なMSのサイズからすると、サイコ・ガンダムが圧倒的な大きさを誇っていたことはいうまでもありません。
このような大きさであれば戦場で標的になりやすく、輸送や運用においても不利に働く可能性があります。しかし、それでも大型化が選ばれた背景には、デメリットを上回るメリットがあったと考えられます。
サイコ・ガンダムは「ジオン軍」のMS「ジオング」を参考に開発された「サイコミュ・システム」搭載機です。その名残として、腹部の「拡散メガ粒子砲」や指先のビーム砲が見られ、頭部だけでも「ある程度の自律稼働が可能」といいます(BANDAI SPIRITS「HGUC 1/144 サイコ・ガンダム」取扱説明書より)。
また、通常の戦闘用MSというよりも、拠点の攻略や防衛といった特定の任務を念頭に置いて設計されました。そのため、常に戦場に展開するのではなく、限定された戦地に投入されることを前提とすれば、輸送の不便さもある程度は許容されたと考えられます。
さらに、戦場で標的になりやすい点も、強力な防御システムによって補われました。サイコ・ガンダムは、非常に厚い装甲に加え、ビーム兵器を偏向させる「Iフィールド」を備えており、作中でも何度か攻撃を受けながらも致命的なダメージを受けず、相手を苦戦させる場面が描かれています。
ちなみに同じような巨大MSの例として「機動戦士ガンダムSEED」シリーズに登場する、全高56.3mの「デストロイガンダム」がいます。同機が量産され、投入された戦場で破壊の限りを尽くしているのを見ると、サイコ・ガンダムも存在しているだけで相手にとっての脅威になりえたものと容易に想像できるでしょう。