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「悪倒したのにモヤモヤが」「全員死んだ?」 仮面ライダー作品で描かれた衝撃展開

昭和から平成、令和の現在まで続く定番の特撮ヒーローである仮面ライダーシリーズは、多くの子供たちに夢と希望を与えてきました。しかし、なかには子供向けの番組と思えないほどの衝撃展開が描かれ、大人も巻き込むほどの盛り上がりを見せた作品があります。

主人公死亡、全員死亡展開の末にようやくハッピーエンド?

『仮面ライダー龍騎超全集』上巻(小学館)
『仮面ライダー龍騎超全集』上巻(小学館)

 仮面ライダーシリーズは1971年『仮面ライダー』から始まり、昭和や平成、そして令和に至るまで数々のライダーが描かれてきました。悪に立ち向かう王道ヒーローとして活躍するという流れが定番であり、大抵は親玉を倒して完結というラストですが、なかには衝撃的な展開が描かれた作品もあります。

 たとえば2002年から2003年まで放送された『仮面ライダー龍騎』は、主人公が最終話にたどり着く前に死亡してしまいます。さらに、そもそもの設定も複雑で、「ラスボスを倒してハッピーエンド」という、シンプルなオチとはかけ離れたラストが描かれたのです。

 同作のメインとなる舞台は鏡のなかの世界「ミラーワールド」で、そこには13人の仮面ライダーが存在します。さらにライダーたちには、最後のひとりになるまで仮面ライダー同士で戦うという宿命も課せられており、最後まで勝ち残ったライダーには、「望みを叶える」権利が与えられるのです。

 そして、「仮面ライダー龍騎」に変身する主人公「城戸真司」は最終話よりも前に、怪人に襲われそうな少女を庇って致命傷を負い、戦いの後に絶命してしまいます。

 主人公がいない最終話では、生き残った「仮面ライダーナイト」の「秋山蓮」と、ラスボスである「仮面ライダーオーディン」との一騎打ちが始まり、結果としてナイトが勝利して、彼の望みで昏睡状態の恋人「小川恵里」を目覚めさせました。しかし、オーディンとの激しい戦いで致命傷を負った蓮は、彼女の意識が戻る前に力尽きるのです。主人公だけでなく、勝ち残ったライダー含めみんなが死亡してしまう、いわゆる「全滅エンド」が描かれました。

 しかし、これで終わりではなく、のちにライダーバトルが行われた理由が明らかになります。その理由とはライダーバトルの首謀者である「神崎士郎」が、他界した妹の「優衣」を生き返らせるためでした。これまで真司や蓮と行動をともにしていた優衣は鏡のなかの存在であり、現実世界で死んだ優衣と一体化した姿だったのです。

 さらに優衣は生き返ることを拒んでおり、諦められない士郎は時間を巻き戻して、何回もライダーバトルを繰り返していました。そして、最後に士郎は優衣の説得によって時間を巻き戻すことも諦め、現実世界はふたりが願った「みなが幸せに笑っている世界」に修正されて、絶命したライダーたちは生き返るのです。

 最後に真司と蓮が再会するところで終わりを迎え、最後の最後は全滅という最悪な展開を免れるラストとなりました。最終的にはハッピーエンドでしたが、「鬱展開」が多くかなり重いテーマの作品として知られています。

【画像】え…っ? 「羽もかっこよ!」こちらが仮面ライダー同士で戦う『龍騎』で最後に勝ち残ったライダーです(4枚)

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