君、マジメになったなぁ 時代ゆえに色んな変更をされた「アウト」キャラたち
アニメやマンガにはかわいいヒロインに、ついつい「セクハラ」をしてしまうキャラクターも少なからず存在します。しかし、現実では当然「アウト」な行為であり、最近の再アニメ化作品や新装版のマンガでは、卑猥なシーンやセクハラシーンが一部カットされ、元よりもマイルドになったキャラもいました。
ナンパはするけれども
往年の人気マンガに登場するキャラのなかには、ヒロインなどにセクハラ行為をする「スケベキャラ」も存在します。しかし、近年の再アニメ化や原作の新装版においては、そういったキャラの問題シーンはカットされたり、表現がマイルドになっていたりすることもあり、たびたび話題になってきました。
●『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』マトリフ
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(原作:三条陸/作画:稲田浩司)は、1991年にアニメ化された後に、2020年には再アニメ化されるなど、今もなお多くのファンに愛されている作品です。その本作の原作や1991年版のアニメには、大魔導士「マトリフ」のセクハラ行為が数多く描かれていましたが、2020年版アニメではカットされています。
たとえば、1991年版ではマトリフがメインキャラのひとりで僧侶(のちに武闘家)の少女「マァム」の胸を前からわしづかみにするシーンがありましたが、2020年版ではこの描写は描かれませんでした。また、その後のマァムのお尻を触るシーンも同様にカットされています。
こういった場面に関して、「カットされるのは当然」という意見もあれば、一部では「セクハラしないマトリフはマトリフじゃない」「大魔導士もコンプラには勝てなかったか」と、物足りないと感じている声もあがっていました。
●『うる星やつら』諸星あたる
高橋留美子先生原作の『うる星やつら』は、1981年からアニメ化された、言わずと知れた大人気作品です。地球だけでなく宇宙や異次元も舞台に、主人公「諸星あたる」と彼を愛する宇宙人の少女「ラム」の恋模様やドタバタを描いた本作は、2022年に完全新作として再アニメ化されました。
1981年版のアニメでは、無類の女性好きであるあたるによる、セクハラシーンが数多く描かれていましたが、2022年版ではコンプライアンスに配慮したのか、改変がたびたび行われています。
たとえば物語序盤で、あたるとラムが鬼ごっこをするシーンでは、あたるが故意にラムのブラを取って胸があらわになる場面がありました。しかし2022年版では、あたるがラムを捕まえた際に、アクシデントでブラが取れてしまうという形に改変されています。
ただし、あたるの女好きという性格自体には変化がなく、人と話している最中にナンパをしたり、突然抱きつこうとするシーンなど、原作に忠実な描写も残されています。セクハラ描写を含む原作を、時代に合わせて適切に改変し、配慮を施した再アニメ化作品となりました。
ファンからは「どこか懐かしさもあって見やすかった」「OP映像にライブ配信とかが出てきて令和って感じで好き」といった声も見られ、現代的なアレンジと原作の忠実さを両立させた点も評価されています。