『ガンダム』ジオン軍の顔「ザク」と1話だけの「旧ザク」はどれほど違うものなのか?
『機動戦士ガンダム』に登場したジオンのシンボルといっても過言ではないモビルスーツが「ザク」です。多くの後継機も生み出したこの傑作機の原型となったのが、いわゆる「旧ザク」です。見た目もそれほど違いがない両機、いったいどんなところが違うのでしょうか。
モビルスーツの最高傑作「ザク」とその原点「旧ザク」の違いは?
『機動戦士ガンダム』に登場する、ジオン軍の量産機「ザク」は、さまざまなバリエーションに派生するほどの名機です。そのおおもと、原点がいわゆる「旧ザク」になります。モビルスーツ史において最重要なこの両機の違いはいったいどんなところなのでしょうか。
まず、旧ザクと呼ばれるモビルスーツは、正しくはMS-05「ザクI(ワン)」であり、一年戦争で大いに運用されたザクはMS-06「ザクII(ツー)」です。劇中ではザクといえば「ザクII」であったため、以下、ザクIを「旧ザク」、ザクIIを「ザク」と表記します。
●旧ザクとザクのカタログスペックや兵装の違いは?
旧ザクとザクの見た目は、劇的に変わったかというとそうではありません。カタログスペックを見てみると、旧ザクの身長は17.5m、重量は65.5t、これに対しザク(F型)は身長17.5m、重量56.2tといわれ、軽量化されています。
また、旧ザクのジェネレーター出力は899kw、スラスター推力は4万0700kgに対し、ザクは976kw、4万3300kgと当然ながら向上しています(それぞれ数値には諸説あり)。
そして兵装はというと、丸腰の旧ザクで「ガンダム」に特攻した「ガデム」のイメージがありますが、両機ともに「マシンガン」「バズーカ」「ヒートホーク」となっています。
以上のように、数値や兵装では違いが分かりにくいものの、ビジュアルにその差がわずかにみられます。たとえば、ザクは機体の熱を逃がす動力パイプがむき出しになっています。旧ザクは、この動力パイプが内蔵されていたため、ジェネレーター出力が低く、稼働時間が短かったようです。
そして、肩にも違いがあります。旧ザクの左肩は丸みを帯びた形態をし、右肩は角ばっていて、そして武装などは何もありません。これに対しザクは、左肩にスパイクアーマー、右肩にシールドを装備しています。これは、連邦軍がモビルスーツを開発することを想定し、「キシリア・ザビ」の命令のもと装備することになりました。
このように、宇宙世紀0074年に試作機がロールアウトした旧ザクは、その3年後に、より実戦に向けた我々のよく知る「ザク」となったわけです。