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あれ、今土曜20時か 深夜でもないのに「過激」だったマンガ実写化ドラマ

流血表現や性的な描写など、過激な場面が盛り込まれたドラマは、基本的に深夜枠で放送されているイメージが強いでしょう。しかしひと昔前には、ゴールデンタイムの真っ最中でも「これ流しちゃっていいの?」と、心配になるような作品も放送されていました。人気マンガの実写版から、衝撃作を振り返ります。

土曜日の20時にクリスマスの虐殺シーンを放送?

ドラマ『ブラッディ・マンデイ シーズン1』ビジュアル (C) 東宝・TBS (C)龍門諒・恵広史/講談社
ドラマ『ブラッディ・マンデイ シーズン1』ビジュアル (C) 東宝・TBS (C)龍門諒・恵広史/講談社

 過激な内容のマンガが地上波のドラマで実写化される際には、基本的に深夜枠で放送されるイメージが強いでしょう。ところが19時から22時までの時間帯、いわゆるゴールデンタイムに放送された「過激な実写化作品」もありました。刺激的な場面の数々に、視聴者の方が心配になってしまうほどです。

●『ブラッディ・マンデイ』

 2008年に放送された『ブラッディ・マンデイ』は、「週刊少年マガジン」(講談社)連載のマンガが原作のアクションサスペンスです。天才ハッカーの少年「高木藤丸(演:三浦春馬)」が最凶最悪のウイルステロに立ち向かっていく物語で、土曜20時枠の放送にもかかわらずショッキングなシーンが目白押しでした。

 たとえば第1話の冒頭からロシアでクリスマスイヴの日に起きた虐殺事件の一部始終が展開され、殺人ウイルス「ブラッディX」に感染した人びとの悶え苦しむ様子が容赦なく映し出されます。ただれた皮膚や全身の粘膜からの出血まで、生々しく描かれた衝撃シーンでした。

 続く第2話でも、日本における感染者第1号「安田由紀子(演:江口のりこ)」の悲劇を通して、ブラッディXがいかに恐ろしいウイルスであるかが描き出されています。ものの2時間で発症し、1日も経たないうちに死にゆく姿は、今でも多くの人の記憶に残っているようです。ネット上には、当時を思い出した「感染が進んでむごい姿になるのがつらかった」「すごい心にくる死に方してたのめっちゃ覚えてる」「最期までネットに依存していた第一感染者の死にざまがメッチャリアルで、江口さんにはいまだにこの印象がある」「これよく土曜の20時にやってたな」といった声があがっていました。

●『銀狼怪奇ファイル~二つの頭脳を持つ少年~』

 過激さでいえば、堂本光一さん主演の『銀狼怪奇ファイル~二つの頭脳を持つ少年~』も負けていません。堂本剛さん主演の『金田一少年の事件簿』に続く学園ミステリー第2弾として制作された作品で、金成陽三郎先生、越智辺昌義先生による『超頭脳シルバーウルフ』を原作としていますが、ほとんどがドラマオリジナルのエピソードで構成されています。

 なかでも印象的なエピソードといえば、第1話の「首なしライダー」の回ではないでしょうか。不良グループが仕掛けたピアノ線に引っかかり、バイクの運転手の首が切断される事件から始まる同エピソードでは、文字通り首のないライダーが登場したり、切断された生首が木の上にぶら下がっていたりと、ショッキングなシーンがこれでもかと詰めこまれていました。

 そのほかにも突如として人間の身体が燃える人体発火事件や、絵から抜け出した死神が殺人を行うというホラー回など、トラウマになってもおかしくないエピソードが目白押しです。そして何よりこれだけ強烈な内容でありながら、土曜21時の枠で放送されていたということに驚きを隠しきれません。

●『僕たちがやりました』

「週刊ヤングマガジン」(講談社)連載の同題マンガを実写化した『僕たちがやりました』(2017年)も、火曜21時という放送枠にもかかわらず、過激な描写を連発して話題となった作品です。ごく普通の高校生「増渕トビオ(演:窪田正孝)」たちがイタズラ心で不良高校に爆弾を仕掛けた結果、死傷者が出る爆発事件に発展してしまうところから彼らの逃亡劇が幕を開けました。

 主人公のトビオは性行為に憧れを抱いている男子高校生というキャラクターで、逃走劇の最中にも高校生らしい等身大の欲望がたびたび顔を覗かせます。第5話では友人の彼女である「新里今宵(演:川栄李奈)」と肉体関係となり、第7話では幼なじみの「蒼川蓮子(演:永野芽郁)」と一夜をともに過ごすなど、家族と一緒に視聴するともれなく気まずくなるシーンがたっぷりと盛り込まれていました。

 なかでも蓮子とのシーンでは、後に朝ドラのヒロインも演じた永野さんが大胆な演技に挑戦しており、当時ネット上で「永野芽郁がすごい体張ってる」「『僕やり』やっぱり攻めてるわ」などと話題になったことは言うまでもありません。

 こうしたドラマが多くの人に衝撃を与えたのは、あえてゴールデンタイムに攻めた内容を放送したからこそでしょう。多くの人の心に残る過激な実写化作品は、今後も生まれるのでしょうか。

(ハララ書房)

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