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『ガンダム』ジオン軍MS「アッガイ」はなぜゆるキャラ化したのか クマ化に家族化!?

「ガンダム」シリーズのモビルスーツのなかでも、ほかとは一線を画す独自路線を歩み続けているのが「アッガイ」といえるでしょう。なぜこんにちのようなゆるキャラ化したのでしょうか。その契機と歩みを振り返ります。

本編での登場は第30話「小さな防衛線」のみ

よく見ると頭の上に…。「MG 1/100 アッガイ」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
よく見ると頭の上に…。「MG 1/100 アッガイ」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

『機動戦士ガンダム』に登場した水陸両用モビルスーツ(MS)「MSM-04 アッガイ」は、2024年現在ではゆるキャラとしても親しまれています。基本的に「カッコイイ」を目指す傾向にあるMSのなかで、なぜアッガイはゆるキャラ化したのでしょうか。

『機動戦士ガンダム』本編でのアッガイの登場話数は、第30話「小さな防衛線」のみで、決して多くはありません。破壊工作員の潜入用に使用されたアッガイは、「シャア・アズナブル」とともにジャブローからの脱出を図った際に4機が撃破され、MSとしての見せ場はほぼ存在しないという状況でした。

 さて、偵察機としての性格が強いためあまり出番のなかったアッガイながら、「ガンダム」の世界では現在ゆるキャラとして親しまれています。劇場版『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』のパンフレットに「体育座り」をするアッガイの頭の上を「カツ」「レツ」「キッカ」が歩くシーンを安彦良和氏が描いており、おそらくはこのイラストが後の、アッガイのゆるキャラ化につながって行ったと思われます。

「1回だけ出てきたやられ役」に過ぎなかったアッガイのイメージが決定的に変化したのは、1994年に稼働したアーケードゲーム『機動戦士ガンダム EX-REVUE』への参戦がきっかけでした。強いキャラクターでは無かったものの、動きがどことなくユーモラスで、勝利ポーズはクルクル回転してからの「どすこい!」ポーズと、コメディ系のMSとしての印象付けがなされていました。

 また、同時期にはことぶきつかさ先生の『機動武闘伝Gガンダム』パロディマンガ『いけ!いけ! ぼくらのシャイニングアッガイ!!』が登場し、「ガンダムファイト」のパロディ「アッガイファイト」を描いたこの作品により、アッガイの知名度が一気に上がることとなりました。

 2001年に稼働開始したアーケードゲーム『機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン』に実装された際にも動きのかわいらしさが明らかに意識されており、連邦軍が鹵獲(ろかく)品として使用する際のカラーリングはまるで「ドラえもん」のようになっています。アッガイが「萌え」モビルスーツ路線を歩む決定打となった出来事といえるでしょう。

【画像】アッガイはどこへ行くの? こちらがクマ化&ファミリー化した「ベアッガイF」です

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