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『ガンダム』ジオン軍MS「アッガイ」はなぜゆるキャラ化したのか クマ化に家族化!?

アッガイの魅力は頭の大きさと「いじりがい」

キット化もされた。「HGBF 1/144 ベアッガイIII」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ・テレビ東京
キット化もされた。「HGBF 1/144 ベアッガイIII」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ・テレビ東京

 2009年5月の「静岡ホビーショー」では、「招き猫アッガイ」や「木登りアッガイ」などアッガイを題材とした模型作品30体以上が展示され、話題となりました。

 2010年にはガンプラ30周年を記念して制作されたOVA『模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングG』に、クマのぬいぐるみのような意匠の「ベアッガイ」が登場します。そして2013年に放送されたTVアニメ『ガンダムビルドファイターズ』にはベアッガイをリニューアルした「ベアッガイIII(さん)」とそのベース機「ベアッガイII」も登場し、「女子に人気がある」という設定が付与されました。

 なぜこれほどまでに、アッガイだけがカワイイ系に突き進んでいるのでしょうか。

 大きな理由としては、ほかのモビルスーツは基本的に「カッコいい」系のため、かわいくしようとすると無理が出てしまうという点です。ジオン軍の水陸両用機の中にはスタイルが似ている機体もありますが、「ズゴック」は明らかにカッコいい系の機体です。「ゾック」「ゴッグ」「ゾゴック」「アッグ」「ジュアッグ」などは、武器やドリルがどうしても目立つので、ゆるキャラには不向きでしょう。

 アッガイがゆるキャラとして有利なのは、まず頭、胴、手足がしっかりとあり、そのままSDキャラに仕上げることができるほどスタイルが整っているという点です。また、手が丸いのもかわいらしさの演出には大きな優位となります。

 特に頭の大きさは愛らしさを演出するのに向いており、創作者にとってもいじれる範囲が広くなるという利点があります。手足の存在はポージングの自由度を高めることにつながり、技術次第では多くの姿勢を取らせることが可能です。どうしても「決め」ポーズを取らせたくなる他のモビルスーツにはない特徴です。

 おそらく、これからもアッガイは「萌え」MSとして、唯一無二の地位を築き続けていくのでしょう。

(早川清一朗)

【画像】アッガイはどこへ行くの? こちらがクマ化&ファミリー化した「ベアッガイF」です

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