『ドラクエ』えっ、なぜこのタイミングに… 覚えた頃には「もういらん」なザンネン呪文3選
「ドラゴンクエスト」シリーズといえば、レベルを上げていきながら新たな呪文を習得することも醍醐味のひとつです。しかし、なかには、せっかく覚えたのに、習得したタイミングが遅すぎたために、ほとんど使う機会がない呪文もありました。
覚えるのがあまりにも遅ぎる…『ドラクエ3』の勇者は劣等生?
「ドラクエ」シリーズといえば、レベル上げとともにステータスを上げつつも新たな呪文を習得し、手ごわいモンスターたちに立ち向かうのが定番のプレイ方法でしょう。現代ほど情報がなかったファミコン時代は、「次は何の呪文を覚えるのかな」と心を躍らせながらレベルを上げていたものです。しかしなかには、せっかく覚えたのにもかかわらず、使うタイミングがなかった呪文もありました。
よく話題にのぼるのが、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(以下、ドラクエ3)の魔法使いがレベル33で習得する「レムオル」です。レムオルとは、パーティー全員が透明人間になれる呪文で、「エジンベアの城」にこっそり忍び込むときに役立ちます。ストーリーを進めるうえでレムオルが活かせる場面は、この1か所だけです。
しかし、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…公式ガイドブック』(エニックス)に記載された、エジンベアの城の攻略に適したレベルは「24」でした。上述したように魔法使いがレムオルを覚えるレベルは33のため、じっくりレベル上げをしていなければ、エジンベアの城に到着してから、レムオルを習得するまでに時間がかかることになります。
とはいうものの、レムオルと同じ効果を発揮できるアイテム「きえさりそう」を道具屋で購入できるため、呪文の習得を待たずにストーリーを進めることは可能です。ということは、レムオルを覚えてもほとんど使用する機会がないので、「覚えるのが遅すぎる」呪文なのです。
同じく『ドラクエ3』の勇者がレベル29で習得する「ベホイミ」も、覚えるタイミングが遅すぎた呪文といえます。ベホイミは、仲間ひとりに対して約85ポイントのHPを回復させられる呪文です。序盤の戦闘で重宝する回復呪文なので、レベル14で覚える僧侶がサポート役として役立ちます。
しかし、勇者がレベル29でベホイミを覚えるのに対し、僧侶はレベル30でひとりのHPを全回復させる「ベホマ」を習得するのに加え、勇者もレベル33でベホマが使えるようになるため、勇者のベホイミの出番はほとんどなかったのではないでしょうか。
ちなみに、ベホイミを使える歴代主人公を見ていくと、そのほとんどがレベル10から15あたりまでに習得します。『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』(以下、ドラクエ4)の勇者の場合は、レベル5でベホイミが使えるようになるため、『ドラクエ3』の勇者は、「圧倒的にベホイミを覚えるのが遅い」といえるでしょう。
ほかの例を挙げるなら、『ドラクエ4』の「ブライ」がレベル30で覚える「メダパニ」も外せないでしょう。MPを5消費するメダパニは、敵1体を混乱状態にさせる呪文で、かかった場合は、敵自身や敵の仲間に攻撃をするようになります。
レベル30前後といえば、ブライはレベル32で「マヒャド」、マーニャがレベル27で「ベキラゴン」、ミネアがレベル32で「バギクロス」、クリフトがレベル30で「ベホマラー」を習得するため、強力な呪文を覚える段階に達していることが分かります。そこにきて、ブライがレベル30でメダパニという使いどころの難しい補助系呪文を覚えることに対し、タイミングが遅いと感じても仕方ありません。
またコスパを考えても、敵1グループに眠らせる効果を発動できるうえに、メダパニよりも消費MPが「2」も少ない「ラリホー」の方が使い勝手が良いのではないでしょうか。
しかし、『ドラクエ3』のプレイヤーのなかには「ボス戦の前は少し減っててもHP満タンで勝負したいから、そんなときは勇者のベホイミを使ってた」「僧侶のMPをなるべく消費したくないので、勇者のベホイミを使う」といった声も見受けられました。
一見すれば、覚えるのが遅くて使いどころがない呪文でも、プレイヤーによっては重宝する場合もあるようです。自身が楽しめるような呪文の使い方を発見することも、「ドラクエ」シリーズをプレイするうえで欠かせないポイントなのかもしれません。
(LUIS FIELD)