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『ゼロの使い魔』ヤマグチノボル氏の命日 二次創作投稿者からプロ作家を生んだ

2013年4月4日、作家・シナリオライターのヤマグチノボルさんが41歳の若さで亡くなりました。代表作『ゼロの使い魔』の他、『ストライクウィッチーズ スオムスいらん子中隊』シリーズや多数のゲームシナリオを手掛けました。

魅力的なキャラクターを数多く生み出したヤマグチノボルさん

『ゼロの使い魔』(メディアファクトリー)
『ゼロの使い魔』(メディアファクトリー)

 4月4日は、2013年に41歳の若さで亡くなった作家・シナリオライターのヤマグチノボル氏の命日にあたります。代表作『ゼロの使い魔』以外にも、『ストライクウィッチーズ スオムスいらん子中隊』シリーズや多数のゲームシナリオを手掛けており、今なおその死を惜しむ声が絶えません。『ゼロの使い魔』のキャラクターたちをこよなく愛するライターの早川清一朗さんが追悼します。

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 ヤマグチノボル先生が亡くなってから、早くも7年が経ちました。まだ30代のうちにがんを発症し、2011年には末期がんで延命治療中であることを明かした時、どれほどつらい心境だったのでしょうか。がんの宣告を受けた際、強いショックを受けてひたすらガンプラを作り続けていたとも聞きます。繊細な作業を行っている時だけ死の恐怖から逃れられたのでしょうか。
 
 ヤマグチ先生の個人サイト「hexagon」は、2009年10月17日で更新が止まったままですが、最後に掲載されているのは、「ザク」「ゲルググマリーネ」そして「RX78-2ガンダム」の完成した姿です。もしお元気だったら、今ごろは何を作っていたのでしょうか。2020年6月発売予定の「HG 1/144 RX-78-2 ガンダム [BEYOND GLOBAL]」を手に笑顔を浮かべていたのかもしれないと思うと、優れた才能と情熱を持つ作家に訪れた理不尽な病を、いまだに許せない自分がいます。

 さて、1972年に生を受けたヤマグチ先生は、明治大学卒業後に不動産営業やバイク便ライダー等の職を経験したのち、2000年に発売されたPCゲーム『カナリア~この想いを歌に乗せて~』でシナリオライターとしてデビューします。同タイトルではノベライズも手掛けており、これがライトノベル作家としてのデビュー作となります。

 翌2001年発売の『グリーングリーン』でもやはりシナリオとノベライズを手掛けており、徐々に作家としての足場を固めていきました。

【画像】『ゼロの使い魔』魅力的なキャラクターたち(6枚)

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