『呪術廻戦』完結も残された伏線が大量に 宿儺の過去が明かされる日は来るのか?
2024年9月にシリーズ累計1億部を突破した『呪術廻戦』は、未回収の謎や伏線めいた情報がちりばめられた状態で完結を迎えました。そのなかでも特に気になる謎について振り返ります。
気になる謎に「まだ何かあるんじゃないか?」と期待も
2024年44号の「週刊少年ジャンプ」(集英社)で『呪術廻戦』がついに大団円を迎えました。最後の最後に大ドンデン返しのバッドエンドがあるのではないか、と気をもんだ方もきっと胸をなでおろしたところでしょう。しかしなんだかモヤモヤした気分も残ります。この記事では、結局回収されなかった伏線や謎について振り返ります。
※この記事では『呪術廻戦』最終回についての記述があります。ネタバレにご注意ください。
●虎杖の両親はなぜ死んでしまったのか?
最初に気になるのは主人公「虎杖悠仁」の両親です。彼は生まれつき高い身体能力を持っており、「宿儺」の器になれる素質の持ち主ですが、その家庭環境は謎に満ちており、父親(仁)や母親(香織)の影はまったく見えません。いったいどんな両親のもとに産まれたのか描かれていないのです。
しかし物語が進むにつれて衝撃の事実が判明します。もともと双子として生まれるはずだった宿儺は、飢餓状態になることを避けるため出生前に双子の片割れを喰らっていました。その魂が生まれ変わったのが虎杖悠仁の父親「仁」だったのです。
そして母「香織」は仁との間に子供を授かることなく死亡した後、「羂索」に肉体を乗っ取られ、その状態で仁との間に悠仁をもうけます。つまり仁は中身が羂索と知らずに香織(の死体)と子供を作ったことになります。
もしかしたら仁は香織が死んだことを受け入れられず、蘇った香織が別人だと知っていながら知らないフリをしていたのかもしれません。ここには相当に業の深いドラマがあったはずです。悠仁の身体能力の高さや宿儺との相性は、羂索によって出生前からそうなるべくして仕組まれたものでした。
そこで気になるのが両親のその後です。羂索にとっては宿儺の器になる悠仁が産まれたことで、仁と香織が不要になったことは間違いありません。しかし彼が成長するまでは母親として香織の肉体を乗っ取ったまま近くにいたほうが、コントロールしやすく都合が良かったはずです。しかし仁も香織も死亡しているということは、何らかのトラブルがあったと思われます。
もしかしたら「宿儺の片割れの生まれ変わり」である仁にも強い呪力や才能があり、そのせいで香織の正体に気付いて消されたのかも、とか、香織が死んでいないという嘘を維持できなくなって家庭が破綻したのでは、などと想像が膨らむところです。結局、悠仁の両親については最後までほとんど語られないままでした。