『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に当時アンチがワラワラと増えたワケ 放送開始20年
期待の込もった続編として生まれた『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』は、商業面から見るとヒット作だったものの、アンチと呼ばれる否定的意見を持つ人が多く生まれました。その理由を紐解いてみます。
大ヒット作だった前作の続編として生まれた『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』
本日10月9日は、2004年にTVアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』が放送開始した日です。本年2024年で放送20周年となりました。本作は好評だった『機動戦士ガンダムSEED』の直接的な続編として誕生した作品です。
『機動戦士ガンダム』から連なる「宇宙世紀」以外の世界観で、続編がTVアニメとして制作されるのは「ガンダムシリーズ」では初めてのことでした。それほど、当時の『SEED』人気は高いものだったといえるでしょう。
もともと前作『SEED』放送中すでに、スタッフのなかには劇場版で続編をやりたいという機運はあったそうです。これがTVアニメとして続編という形になったのは、『SEED』の人気が高すぎたからでした。ファンの熱気や関連商品の売れ行きなど、シリーズ原点の『機動戦士ガンダム』以来と評価する人も少なくなかったのです。
キー局のMBS(毎日放送)としては『SEED』終了直後、続けて続編を放送開始というくらいの盛り上がりでした。しかし、1年にわたるTVシリーズの制作でスタッフも疲労していたことから、充電期間として1年の時間が与えられ、この時間帯では本来の予定通りTVアニメ『鋼の錬金術師』が放送されることになります。
こうして1年間の充電期間を挟んで制作されたのが、『DESTINY』でした。前作主人公の「キラ・ヤマト」と「アスラン・ザラ」を脇に回し、新たな主人公として「シン・アスカ」を中心に物語は動くことになります。
初回の視聴率は8.2%で、前作の最高視聴率である8.0%を超えました。この点からもファンの期待は大きかったといえるでしょう。これには1年間の休眠期間中にもかかわらず、『SEED』という作品が何かしらの発信を続けており、ファンの熱を冷まさないよう力を入れていたからでした。
そのもっとも大きな原動力となったのが、スペシャルエディションといわれるTV版『SEED』全50話を編集した特別総集編がTV放送されたことです(1部は未放送)。新規カットも加えられ、新たにアフレコもされているなど、ファンの興味を引き付けるには効果的な作品となりました。
こうして放送開始した『DESTINY』でしたが、現在の評価を見てみるとそれほど高いものとはいえません。そこには続編ゆえの難しさがあったのでした。