猫、至高のパーツ「肉球」 モミモミしたい要求にかられるが…「ジェネリック」で我慢
漫画家の迷子さんによる描き下ろしエッセイ。数ある猫のパーツのなかでも至高のパーツと迷子さんが考えるのは肉球です。ところが、愛猫は手足を触られるのが嫌なようです。
愛猫の至高のパーツは、肉球
漫画家の迷子さんによる描き下ろしエッセイ。頭、耳、口元、しっぽ……数ある愛すべき猫のパーツのなかで、迷子さんが至高と考えるのは「肉球」。
しかし残念ながら、迷子さんの愛猫は手を触られるのが嫌なようです。肉球をもみたい迷子さんは、どうする!?
* * *
猫の肉球をもみ倒したい。
しかし、うちの猫は肉球を触られたくないらしい。そもそも脚に触られるのが苦手らしいのだ。他の所をなでている時にちょんと触れると、するする……と体の下に収納してしまう。それか、手をはたかれる。サービス業の方に無駄に絡むような人間にはなりたくないので、あまり触れないようにしている。
けれど、もみたいという欲はなくならない。困ったものだ。この話をした時、人に「あれって毛皮から露出した皮膚なんだから、人の指先でも大して変わらないんじゃないの? 人の指触れば?」と言われた。まったく分かっていない。猫だからいいのだ。猫に付いているパーツだからもみたいのだ。猫についていないのであれば、その触感がどんなに肉球に似ていようが私にとっては価値がない。もみたい肉球はあくまで猫の付属品なのに。
なんだか宗教じみてきた。あくまで信仰の延長で木魚を叩き倒したいのだ、という人がいたらいい友達になれそうな気がする。とりあえずジェネリックとして、猫を眺めながら自分の指でももんでおこうと思う。
(迷子)