『仮面ライダーストロンガー』 初の変身ヒロイン、「中の人」にショック!?
1975年4月5日は、仮面ライダーシリーズ第5作『仮面ライダーストロンガー』の第一話「おれは電気人間ストロンガー!!」が放送された日です。主人公は好青年で美人のヒロインがサポートし、力の源は電気。チャージアップでは胸のSが回転するのでパワーアップがひと目で分かります。「分かりやすさ」が特徴的な作品でした。
第一期昭和ライダー、有終の美を飾る

1975年4月5日、仮面ライダーシリーズ第5作『仮面ライダーストロンガー』(以下、ストロンガー)の第一話「おれは電気人間ストロンガー!!」が放送されました。第一期昭和ライダー最終作となった本作は、ヒーローものの原点に立ち返ることを目的に制作され、電気人間と言う視覚的効果に訴える設定や、ライダーシリーズ初の変身ヒロインである電波人間タックルの登場など、さまざまなアイデアが投入された意欲作となりました。タックルのアクション時はスーツアクターが男性だったことを知りショックを受けた経験を持つ、ライターの早川清一朗さんが語ります。
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『ストロンガー』の存在を最初に知ったのは、ケイブンシャの『仮面ライダー大百科』だったと思います。カブトムシをモデルとした大きな角のインパクトや、胸に輝く巨大な「S」の字など、他のライダーとは全く違う存在感を発揮していたのを覚えています。
実際に見ることができたのは大人になってからなのですが、主人公・城茂役の荒木茂氏の颯爽たる雰囲気と、ライダーシリーズ初の変身ヒロインである電波人間タックルのスカートの丈の短さが強く印象に残りました。アクションシーンは男性が演じているということには全く気付きませんでしたが……。荒木氏は2012年に63歳で、タックル役の岡田京子さんは1986年に27歳の若さで亡くなっているのが残念でたまりません。この場を借りてご冥福をお祈りいたします。
さて『ストロンガー』を見ていて強く感じたのは、その「分かりやすさ」でした。主人公は好青年で美人のヒロインがサポートし、力の源は電気。チャージアップでは胸のSが回転するのでパワーアップがひと目で分かります。オープニングは水木一郎氏が歌い上げ、映像ではストロンガーと戦闘員のバイク対決が繰り広げられます。
このような分かりやすいヒーロー路線が指向された理由は、『仮面ライダー』シリーズの視聴率低下でした。ヒーローものの原点に立ち返ろうとしたのです。初代『仮面ライダー』の時代は安定して20%を叩き出し、時には30%越えも果たしていましたが、徐々に視聴率は低下していました。とはいえ前作『仮面ライダーアマゾン』の平均視聴率は関東で15.7%、関西で17.7%と、現在の常識からすればかなりの高視聴率にしか見えません。『仮面ライダー』に寄せられていた期待がどれほど高かったのかが伺えます。