改めて振り返っても酷すぎる「ガンダム」シリーズの清々しい程に裏切ってくれた三悪女
「ガンダム」シリーズで「悪女」と評されるキャラクターを3人挙げるとしたら、人により多少の入れ替わりはあるものの、ほぼ必ず入ってくる名前があります。彼女たちはどうしてそのようなことになってしまったのでしょうか。
「おかしいですよカテジナさん!」
「機動戦士ガンダム」シリーズには、しばしば主人公を裏切る行動に出る女性が登場します。そうしたなかでも、何も考えず裏切った女性、よくわからないままなぜか裏切った女性、憧れと恋を混同して裏切ってしまった少女の3人を見ていきましょう。
●カテジナ・ルース 『機動戦士Vガンダム』
「ガンダム」シリーズ最高最悪の裏切り女性といえば、真っ先に名前を挙げられるのが『機動戦士Vガンダム』の「カテジナ・ルース」でしょう。主人公である「ウッソ・エヴィン」とは文通友達であり、当初は憧れのお姉さんでもありましたが、ザンスカール帝国の軍隊である「ベスパ」による攻撃で故郷のウーイッグが破壊され、自らの道を歩み始めます。
偶然、出会ったザンスカールの「クロノクル・アシャー」に惹(ひ)かれ、ウッソたちの元を離れたカテジナは、その後ウッソと再会するたびに、しばしば「おかしいですよカテジナさん!」と言われるほどの支離滅裂な行動を見せるようになります。
特に第34話から展開された「地球クリーン作戦」執行により、自ら人を殺めてからの行動は凶悪を極めるようになりました。第36話でウッソの母親である「ミューラ・ミゲル」が人質となった展開では、救出に来たウッソを執拗に妨害し、結果としてミューラの不慮の事故死を呼び込んでしまいます。
第46話では精神崩壊の兆候を見せた状態で再登場し、「おかしくなっているんですか?」と問うてきた「シャクティ・カリン」に対して 「とうにおかしくなっている!」と、もう引き返せないところまで来てしまったことを肯定する発言をしています。
その後のカテジナは、部下の女性に裸同然の姿でウッソの「V2ガンダム」を襲わせる、ウッソを守るシュラク隊のモビルスーツを次々と撃墜するなど、凶悪な大暴れを見せました。最後の戦いの際にはウッソの恋心まで利用して勝利をつかもうとしたカテジナですが、V2ガンダムを信じたウッソの前に敗れ、光のなかに姿を消してしまいます。
死んだかと思われたカテジナを待っていたのは、死をも上回る過酷な結末でした。地球へと辿りついたカテジナは、自分の心や視力など、何もかも失い故郷のウーイッグを目指し、旅を続けることになったのです。道中、シャクティに出会ったことに気付いたのか気付いていないのか、真相は未だ不明のままです。