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シリーズの原点『タイムボカン』が確立した偉大なる「フォーマット」とその「最終回」

おなじみ「タイムボカン」シリーズは『ヤッターマン』が広く知られるものの、その「原点」といえるのはそのまま『タイムボカン』というタイトルの作品になります。確立されたフォーマット(お約束)や、物語の結末を振り返りましょう。

『タイムボカン』の人気がシリーズ化を呼び込んだ

キャラクターデザインはおなじみ天野喜孝氏。「タイムボカン ブルーレイBOX」(松竹)
キャラクターデザインはおなじみ天野喜孝氏。「タイムボカン ブルーレイBOX」(松竹)

 1975年から76年にかけて放送されたTVアニメ『タイムボカン』は、主人公である「丹平(たんぺい)」と「淳子」のふたりが、歴史上の物語やおとぎ話をモチーフとした世界で大冒険を繰り広げる物語です。当初は2クール(半年)の放送予定でしたが、人気の高さからまず2クール、さらに1クールと延長を重ね、最終的には全61話が放送されています。その好評ぶりから、のちにコンセプトを共有した作品群が「タイムボカンシリーズ」として制作され、多くの名作が世に送り出されることとなりました。

 同シリーズは、1970年半ばから80年代半ばにかけて、TVアニメにおいて偉大な功績を残した作品群です。もっとも有名な作品としては、シリーズ第2弾『ヤッターマン』の名前が挙がるでしょうか。ほかの作品も実に多種多彩であり、当時の子供たちを楽しませてくれていました。

 その原点たるシリーズ第1作の『タイムボカン』は、主人公の少年少女が「メカブトン」や「ドタバッタン」「クワガッタン」などのメカに乗ってタイムトラベルに出かけるというSF色の濃い設定ながらも、ギャグテイストを加え親しみやすい作風となっているのが特徴です。また、後にシリーズ恒例となる「三悪人」のフォーマットや、富山敬氏によるナレーション(シリーズ第6作の『逆転イッパツマン』では主人公の「豪速九」役を務めたため、これを除く)も本作で確立されています。

 主題歌を始めとする音楽方面を担当したのは、これがアニメ作品初挑戦となった山本正之氏です。山本氏は以降のシリーズでも数々のアニソン制作に携わり、大いに足跡を残していきます。キャラクターデザインの天野喜孝氏は、後に『ファイナルファンタジー』シリーズでもキャラクターデザインやイメージイラストを手掛けるなど、芸術方面でさまざまな成功を収めました。後世で活躍する多くのクリエイターに飛躍のきっかけを与えた作品としても、『タイムボカン』の存在感は大きなものといえるでしょう。

 なお、『タイムボカン』は多くのシリーズ作品を輩出しただけではなく、2016年から17年にかけてリメイク作品も制作されています。配信も行われているので、興味のある方はご覧になってみてはいかがでしょうか。

【画像】こちらが丹平たちのメカ「タイムメカブトン」「タイムドタバッタン」「タイムクワガッタン」です(5枚)

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