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「ガンダム」が大地に立つまで連邦軍はどうザクと戦っていたの? 8か月半の艱難辛苦

TVアニメ『機動戦士ガンダム』において、連邦軍はモビルスーツを投入するまで、どのようにしてジオン軍の「ザクII」と渡り合っていたのでしょうか。その答えは、OVA作品「MS IGLOO」シリーズに描かれていました。

「ザクII」に対する兵器は戦車のみ?

「U.C.HARD GRAPH 1/35 地球連邦軍61式戦車5型 セモベンテ隊」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
「U.C.HARD GRAPH 1/35 地球連邦軍61式戦車5型 セモベンテ隊」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 1979年放送のTVアニメ『機動戦士ガンダム』で描かれた「一年戦争」では、「ジオン公国軍」と「地球連邦軍」の激しい戦いが繰り広げられ、最終的には「ガンダム」に搭乗する主人公「アムロ・レイ」などの活躍により、連邦軍が勝利して幕を閉じました。

 本編では、ガンダムがジオン軍の「モビルスーツ」(以下、MS)を次々と倒し、連邦軍に戦況が傾いていく様子が描かれていますが、しかし実のところその「描かれた期間」は、一年戦争全体の、終盤の3分の1にすぎません。そもそも連邦軍はガンダムなどのMSを実戦に投入するまで、どのようにしてジオン軍のMSと渡り合っていたのでしょうか。

 MSがない状況でジオン軍と対峙した様子は、OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線』(以下、『重力戦線』)で描かれています。

 U.C.0079年1月3日、ジオン公国は地球連邦政府に宣戦布告しました。緒戦の戦闘は宇宙空間の艦隊戦が主流で、ジオン軍は開戦初期に艦載兵器として「ザクII」を実戦に投入し、対MSを想定していない連邦軍は大打撃を受けます。

 同年3月、ジオン軍は第1次地球降下作戦を実施しました。その様子は『重力戦線』の第1話「あの死神を撃て!」に描かれており、MSなど大重量の輸送を目的とする垂直離着陸往還機「HLV」や「投下カプセル」が地上へ降下しています。そしてジオン軍は、ひとり乗りホバークラフトマシン「ワッパ」や大型戦車「マゼラ・アタック」、空挺戦車に加え、MS「ザクII」による強襲を決行し、初めて見る巨大人型兵器に圧倒された連邦軍の歩兵たちは、なすすべもなく退却したのでした。

 ザクに対し連邦軍が唯一、対抗できる兵器といえば「61式戦車」くらいでした。とはいえその砲撃はたやすくかわされ、「ザク・マシンガン」や「ザク・バズーカ」によって次々と返り討ちにされます。戦車とMSが戦えば、MSに軍配があがることは容易に想像できるでしょう。そして、MSを駆使したジオン公国地球制圧軍は、地球上の勢力図を拡げていきました。

 61式戦車以外だと、歩兵用の携行兵器である対MS重誘導弾「リジーナ」くらいしかザクへの有効な攻撃手段がなかった連邦軍は、では一方的にやられっぱなしだったのかというと、決してそんなことはありません。

 同じく『重力戦線』の第1話では、地球降下作戦が実施されて1か月ほど経った後、「対MS特技兵小隊」が登場し、指揮官であり、第1分隊長の「バーバリー中尉」が対MS戦闘の再開を命じられます。そして、ザクと対峙した際、次々と仲間たちを失い、ただひとりになったバーバリーは、ワナである石切り場の穴にザク1機を落として、その頭部に大砲を撃ち込み、見事にザクの撃破に成功したのです。

 その後、隠れていたザクに襲われて戦死するも、ラストに「MS通算撃破記録 13」というテロップが表示されました。恐らく個人と小隊を合わせた戦果と考えられますが、それでも劣勢の状態を踏まえれば、十分な成績といえるのではないでしょうか。

【えっ…絶望】こちらがザクと61式戦車を並べたところです

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