エルバフだけじゃなく『ワンピ』のモチーフはそもそも「北欧神話」? 今後起きそうな展開とは
『ONE PIECE』ルフィたちの冒険の舞台は、巨人の国「エルバフ」へ向かいます。本作のヴァイキングのような巨人たちには、北欧神話の要素が数多く見られます。もしかしたら、『ONE PIECE』ワールドは、北欧神話がモチーフになっているのかもしれません。
出番のわりにあまり語られなかった巨人たち
※この記事では単行本未収録の最新展開の話題に触れています。
最終章に突入し衝撃の展開から目が離せない『ONE PIECE』では、ついに「巨人族」たちの国、「エルバフ」での冒険が始まりました。そこには「北欧神話」を連想させるキーワードが数多くみられ、ネット上でもさまざまな考察が繰り広げられています。もしかしたら『ONE PIECE』世界の秘密の鍵はエルバフにあるのかもしれません。
●北欧神話に由来する名前が数多く登場
さまざまな種族が登場する『ONE PIECE』のなかでも、序盤から登場していたのが巨人です。彼らはヴァイキングのような角兜(歴史的事実としては角がなかった)を身につけ、戦斧を操り、何よりも名誉を重んじる戦士たちです。これらはまさに死をも恐れぬ、ヴァイキング的な特徴と言えるでしょう。
そして、彼らの国エルバフの王子の名前は「ロキ」といいます。北欧神話にはいたずら好きの神ロキと、巨人の王である「ウートガルザ・ロキ」がおり、現状では王子のロキはどちらがモチーフになっているかは不明です。ちなみに、神と巨人の間に産まれたロキ(いたずら好きの方)は、北欧神話の最終戦争「ラグナロク」で巨人たちを率いて神々に反旗を翻しました。『ONE PIECE』の最終章で、大きな役割を担っていそうなネーミングです。
また「ドレスローザ編」で登場した巨人「ハイルディン」と彼が率いる「新巨兵海賊団」にも、北欧神話由来の名称が数多くみられます。彼の必殺パンチ「英雄の槍(グングニル)」は北欧神話の主神「オーディン」の槍、彼らの船「ナグルファル」はラグナロクの際に巨人たちが乗り込む死者の爪で作った巨船です。新巨人海賊団の船医「ゲルズ」は豊穣神「フレイ」の妻となった女巨人(ゲルダとも言う)の名前でしょう。
ドリーとブロギーがレッドラインのことを、「血に染まる蛇」と呼んでいた点も気になるところです。北欧神話の世界蛇「ヨルムンガンド」は海の底に横たわり、自らの尾をくわえて人間の世界「ミドガルズ」を囲んでいます。そういえば、改心した「天竜人」の名前は「ドンキホーテ・ミョスガルド聖」でした。悲しいことに「フィガーランド・ガーリング聖」に処刑されてしまいましたが、彼は天竜人という神から人間になった、という意味が込められていそうです。
さらに2024年10月時点では単行本未収録となる1127話、1128話に「世界樹(ユグドラシル)」と呼ばれる巨樹や「ヒル(昼)ムンガンド」という蛇が登場しました。ヨル(夜)ムンガンドをもじったのでしょう。もちろん、どちらも北欧神話由来の名称です。