パ、パクリじゃねぇし…! 任天堂に「怒られなかった」ポケモンフォロワーゲーム3選
ゲーム「ポケモン」シリーズはその模倣作品の多さでも知られ、これまでにはまるっとパクった大胆なものもあり訴訟に発展するケースも見られた一方、まったく問題にならなかったゲームもあります。なにかしら「許される」共通点はあるのでしょうか。
ポケモンより先にモンスターを仲間にしていた『ドラクエ5』
さる2024年9月19日、任天堂と株式会社ポケモンは共同で、株式会社ポケットペアに対する特許権侵害訴訟を東京地裁に提起しました。ポケットペア社の開発、販売するゲーム『パルワールド』が、任天堂およびポケモン社の保有する複数の特許権を侵害していると主張してのことです。
『パルワールド』は同年1月末に登場した当初から、不思議な生物「パル」のデザインが「ポケモン」を彷彿させるとの声もあり、武器を装備して戦闘もできることから海外では「銃を持ったポケモン」と呼ばれています。客観的に見れば「多くの人がポケモンを連想するゲームが、任天堂から叱られている(というほど生易しくはありませんが)」という状況です。
初代『ポケットモンスター 赤・緑』が1996年2月に発売されてから28年、これまでにもポケモンフォロワーらしきゲームは山ほどありました。そのなかでも特に印象に残りながら「任天堂に怒られなかった」作品を見ていきましょう。
ちなみに、ここでは「ドラゴンクエストモンスターズ」シリーズは選外とします。なぜなら、「ドラクエ」シリーズにおいて「仲間モンスターを集めること」は、1992年発売の『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』が初出で、『ポケモン』より先にやっていたからです。
●メカニック好きの心をくすぐる! カスタマイズ性の豊かな『メダロット』
いわゆる『ポケモン』ぽいゲームを構成する要素とは、「出現するモンスターを仲間にして育てる」「主人公はバトルに参加しない」「モンスターの図鑑を作成」の3つでしょう。『ポケットモンスター 赤・緑』の翌年に発売された『メダロット』(イマジニア)は、ものの見事に3つとも満たしています。
舞台となるのは、知能を持つロボット「メダロット」が人間のパートナーとして普及している近未来です。そこではカスタマイズしたメダロット同士を戦わせる競技「ロボトル」が流行しており、主人公は大会に参加したり、事件に巻き込まれたり、世界の危機に立ち向かったりします。すごい科学力や技術力を持ちながらマヌケな悪の組織「ロボロボ団」には、どこかからロケットのようにツッコミが飛んできそうです。
一方でメダロットは、頭脳にあたる「メダル」にボディの「ティンペット」、そして頭部、左腕、右腕、脚部と4つのパーツを組み合わせて組み上げるものです。しかもメダルには「熟練度」、各パーツには「充填」「熱量」といったパラメータがあり、メカニック好きの心をくすぐる凝り方でしょう。
主役モンスター、もといメダロットにかなりの独自性があり、何よりゲームボーイ用ソフトであることから、任天堂も「通ってよし!」にしたのかもしれません。