実は主人公が「悪」だった? 心をえぐられるゲームの「トラウマ展開」3選
ゲームを遊んでいると、時にトラウマレベルの作品に出会うことも少なからずあります。そんな衝撃的な展開を辿(たど)った作品のなかから、厳選した3タイトルをお届け。いずれも、記憶に残るものばかりです。
最も残酷な形で日常を破る『真・女神転生』
コンピュータゲームが持つ特徴のひとつとして、インタラクティブ性の高さがあります。プレイヤーとゲームが密接に関係するため、体験の手応えも増すうえに、感情移入もしやすくなります。
しかし気持ちが入りやすいため、衝撃的な展開に心が揺さぶられやすくなり、その体験が忘れがたい思い出として刻まれるケースも少なくありません。そうしたゲームは、ドット全盛期から3Dアクションまで、時代を問わず存在します。
いまも語り継がれる作品のなかには、プレイヤーにどんな衝撃を与えたのか。特に忘れがたい3本を振り返ります。
※以下、『真・女神転生』『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』『The Last of Us』のネタバレを含みます。
●『真・女神転生』
1992年10月に発売された『真・女神転生』は、長く続くシリーズ展開につながるほどの人気を博し、「ペルソナ」シリーズをはじめ数多くの派生作も生み出しました。その偉大な功績の原点に相応しく、当時多くのユーザーが本作に魅了され、プレイに没頭しました。
ユーザーを一気に引き込んだのは、序盤の忘れがたい展開も大きな理由のひとつです。ゲーム開始当初、主人公はごく普通の少年として、母や愛犬の「パスカル」とともに日常を過ごしていました。
母親は小言を口にするものの、主人公の身を案じることも多く、親としてしっかり愛情を注いでいることが伝わってきます。それを主人公も自覚しているのか、頼まれた買い物をしっかりこなすなど、良好な関係性がうかがえます。
しかし彼らの穏やかな日常は、あっけなく引き裂かれてしまいました。近所で殺人事件が起こり、街に不穏な空気が広がり始めた頃、帰宅した主人公に異変が訪れます。
帰ってきた主人公を出迎える母親は、どこか様子がおかしく、強い口調で主人公を呼び寄せようとします。その態度に警戒すると、「チッ……カンがいいな」と毒づきはじめ、母親になりすました悪魔だと主人公に告げます。
目の前の母親が悪魔なら、本物の母親はどこにいったのか。その謎は、悪魔の発言で解き明かされます。「すぐにあわせてやるよ おれのはらのなかでな!」と。しかも、母親そっくりの顔で、そのセリフを口にしたのです。
愛情豊かな母親の結末に悲しむ暇もなく、悪魔との戦いが始まり、勝利を得るも心に空いた穴は埋まりません。しかし現実は容赦なく、彼は過酷な日々に飲み込まれていくのです。……苦しさを伴うこの旅立ちに、当時多くのプレイヤーが衝撃を受けました。