「ガンダム◯号機」ってなんなん? アムロのは2号機…ゲームやOVAのアレやコレは?
アムロが搭乗した「RX-78-2 ガンダム」は、型式番号末尾に「2」とあるように2号機であり、ほかに同型機が存在します。ぱっと見で色違いにしか見えないものから、装備盛り盛りでもはや別物まで個性的なラインナップです。
「ガンダム○号機」と「ガンダムNT-1」は産地が違う!
ご存じ「アムロ・レイ」が乗っていた初代「ガンダム」の型番は「RX-78-2」、つまり2号機です。もともと劇中でもスーパーナパームで余ったパーツを燃やして処理しており、放送当時も「何機ぶんかが余分に作れたのでは?」と推測されていましたが、その後のゲームや小説などで、次から次へと「RX-78-○」が現れることになりました。いわゆる「ガンダム○号機」です。
「いったいRX-78って何号機まであったの?」「ガンダムはシリーズを重ねて人気も右肩上がりになったから、後付けで増やしたんじゃないの?」と、そのような疑問が頭をもたげるのは、ごく自然なことでしょう。
これらの答えはハッキリしています。まずRX-78は8号機まであり、後付けではなく、ゲームなどより前に作られた公式設定に基づいています。
まず「RX-78が8機」の初出は、劇場版2作目公開後に発売されたムック本「ガンダムセンチュリー」(みのり書房)です。あくまで公式本ではなく「初代ガンダムの脚本に参加したスタッフたちが参加した書籍」に過ぎませんが、後にバンダイが発売したプラモデルシリーズ「MSV」にラインナップされた「RX-78-1プロトタイプガンダム」(テスト用の試作機)の解説に、「原型試作機を含む増加試作機の総数は全8機」と書かれ、オフィシャル設定となりました。
さらに雑誌「SDクラブ」(バンダイ)に連載された企画「M-MSV」で大河原邦夫氏による4号機から7号機までのデザインが発表され、これら4機の姿は確定しました。あとは、どこでその見せ場を作るか……ということで、そこから満を持してゲームに登場という流れです。もっとも、ゲームごとに再デザインが施されているなどします。
なお、3号機こと「RX-78-3」は、媒体により設定が違います。富野由悠季監督による小説版では、半壊した2号機からアムロが乗り換える機体となりましたが、プラモデルの解説では「RX-78-2と同じ仕様の機体(サイド7で破壊された部品を集めて組み立てた)にマグネットコーティングを施して、アニメ版アムロの機体と同じ性能にした」というややこしい話になっています。
ともあれ、上述のように4号機から7号機までの設定は固まった(8号機は公式デザインなし)はず……でしたが、「ガンダムNT-1どうするんだ」問題が浮上します。
同機はOVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』(1989年)に登場する、型式番号「RX-78」を冠する機体であり、劇中の時代は初代ガンダムと同じ宇宙世紀0079年です。一年戦争中に作られており、「8機あったというRX-78」のどこかに位置づけられなければおかしいことになるはずです。
が、上記の4号機から7号機までのデザインとNT-1のそれは全く違います。M-MSVの連載と『ポケットの中の戦争』の発表時期は非常に近く、雑誌とアニメですり合わせができていなかったのかもしれません。