「ガンダム◯号機」ってなんなん? アムロのは2号機…ゲームやOVAのアレやコレは?
一長一短あるガンダム○号機たち、オールラウンドなアムロ機こそ最強?
結局、プラモデルの解説では「RX-78-○はジャブロー基地で開発、NT-1はニュータイプ専用機としてオーガスタ基地で開発」と見事に矛盾を解決していました。要するに「産地が違う」ということです。
そのような「ガンダム○号機」たちは、PlayStation 2以降のゲーム機で順次デビューを飾っていきました。
ガンダム4号機と5号機は、PS2用ゲーム『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』(2003年)に収録されたオリジナルストーリー『宇宙、閃光の果てに……』に抜てきされました。どちらも基本仕様は似通っており、宇宙用に割り切ってコア・ブロックシステムも省かれ、マグネットコーティングを施したというものです。
そして4号機は「対艦用のメガ・ビーム・ランチャーを撃つこと」に特化し、高性能冷却システムを搭載しています。大火力により敵艦隊を殲滅できるものの、外部ジェネレーターが不安定で爆発する危険があるわ、チャージに時間がかかるわ、1発撃てばエネルギーを使い果たして動けなくなるという尖った機体です。
対して5号機は4号機と一緒に運用され、一発に賭ける4号機をサポートする役割です。「ジャイアント・ガトリングガン」が装備できるのも、4号機が身動きできないときに敵を抑えつけて時間稼ぎをするためであり、お世話係的な位置づけです。
次に6号機、別名「マドロック」はPS2用ゲーム『ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079』(2001年)に登場しました。プレイヤーがジオン軍人という設定のため、敵のボス扱いです。
この機体も尖っていて、ビームライフルのチャージ中における火力不足を補うため、両肩に実体弾が撃てる大口径キャノン砲を、両腕にも4連装グレネードランチャーを装備しています。それによる重量の増加と機動性の低下を避けるべく、脚には可変スラスターを追加して高速ホバリングも可能としました。
つまりガンダムに、「ガンキャノン」+「ドム」属性を乗っけたようでもあり、ジオン軍にとっては悪夢そのものです。
ちなみに『ジオニックフロント』は、ジオンのMSがガンダムのビームライフル1発で轟沈し、こちらの有効射程は限られているため、相手に接近を気付かれないよう、スモークグレネードで視界を遮りつつ友軍とともに囲んで……と地味な作業が延々と続くゲームであり、ガンダム&アムロのふたつ名である「白い悪魔」が、いかに恐怖をともなって口にされたかを強烈に味わえる作品でもあります。
最後に7号機は、PlayStation 3用ゲーム『機動戦士ガンダム戦記』(2009年)の主役機となりました。もっとも遅くに開発されたとあり、完成したのは一年戦争が終わった後で、ジオン残党狩りに投入されています。
その特徴は、最初からフルアーマー(増加装甲)の運用を前提に設計されていることです。RX-78-2に武装と装甲を追加する「FA-78-1 フルアーマーガンダム」という構想がありましたが、本7号機は最初からフルアーマーを前提に設計しており、全身にマウント・ラッチが配され、追加装甲にも多くのサブスラスターがあり「重武装でカタいが素早く動ける」を実現しています。
その上に、追加オプションを付けた「重装フルアーマー」という形態もあります。メタ的に言えば、フルアーマーのフルコースが楽しめる機体といえるでしょう。
これら「ガンダム○号機」は、ほとんどがオーバーテクノロジー的な強みを持ちながらも、それと引き換えに弱点を抱えており、「一年戦争時代の技術的な限界」と「アムロが乗ったガンダムの強さ」を両立させるうまい設定となっています。7号機は完全にRX-78-2のスペックを超えていますが、「(一年戦争の)戦後」なので問題ありませんね。
ただし、7号機は宇宙世紀0081年に運用されたとあり、のちの「ガンダム試作1号機」や「同2号機」が登場する0083年まで2年しかあいだが空いていません。いまだに「8号機」がゲームなどに登場しないのも、そこのバランスが難しい事情もありそうです。
(多根清史)