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アニメ『BNA』1話レビュー 人と獣人が存在する世界は、珍しい設定ではないが?

2020年4月8日より、フジテレビ「+Ultra」枠にてアニメ『BNA ビー・エヌ・エー』が放送開始されました。『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』などで有名な吉成曜氏と中島かずき氏がタッグを組む、期待大な作品です。

「人類」と「獣人」がいる世界

『BNA ビー・エヌ・エー』 (C)2020 TRIGGER・中島かずき/『BNA ビー・エヌ・エー』製作委員会
『BNA ビー・エヌ・エー』 (C)2020 TRIGGER・中島かずき/『BNA ビー・エヌ・エー』製作委員会

 2020年4月8日(水)より、フジテレビ「+Ultra」枠でアニメ『BNA ビー・エヌ・エー』の放送がスタートしました。監督は吉成曜氏、原作・脚本は中島かずき氏という、『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』で有名なタッグの作品で、放送前から期待が高まっていました。

 舞台は、「人類」と「獣人」が存在する社会。主人公の影森みちる(CV:諸星すみれ)はタヌキ獣人で、獣人が自由に生きられる特区「アニマシティ」へ向かおうとしています。道中、黒づくめの男たちが現れ、獣人と人類が握手しているポスターに「獣人死すべし」とスプレーで落書きをするのを目にするみちる。この光景から、獣人を受け入れてない人が存在すると読み取れます。

 みちるは突如、その男たちからボウガンでの襲撃を受けます。森のなかへ逃れますが、追い詰められます。その襲撃者はなんの躊躇もなく、ボウガンを放ち、鈍器を振り下ろすのです。そこには、獣人を自分たち人類とは、全く異なる存在と認識していることが見てとれます。
 
 この時の獣人の強さは尋常ではありません。相手の人間たちは獣人たちよりも多人数でしかも、武装しています。それを物ともせず、相手をなぎ倒していく獣人たちは、恐れられる存在というのもうなずけます。
 
 獣人たちの助けを借りてみちるがアニマシティに到着すると、お祭りが始まります。お祭りを楽しむのも束の間、みちるはオオカミ獣人の男、大神士郎(CV:細谷佳正)と出会うことに。士郎はオオカミということもあり、鼻が効きます。お祭りの最中、爆弾テロを起こした獣人が人間に雇われていることを匂いから探り当てます。そして、銃で武装した獣人数人を物ともせずねじ伏せる、尋常でない力を持つ士郎。容赦をしない士郎を、みちるは尻尾を膨張させて吹き飛ばします。「人間は敵だ」という士郎に、みちるは衝撃的な告白をします。「私も人間だったの」と……。

 人間の言葉を話す獣人たちという発想は2019年にアニメ化され話題になった『BEASTARS(ビースターズ)』などで見られるように特段目新しい設定ではありません。『天元突破グレンラガン』でも、人類と獣人の争いが描かれました。しかし、『BNA』において特筆すべき点は、人間と、獣人がそれぞれ存在し、お互いを認めなくてはいけないが、まだ、容認できない状況にあると言ったところでしょうか。「分断の時代」と言われ、「国境に壁を」と国のトップが言う世相を表しているとも言えます。かつて「人間だった」という獣人みちるは、「分断」をつなぐ存在となるかもしれません。2話目以降も注目したい作品です。

(二木知宏)

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