『ULTRAMAN』TV放送 歴代「ウルトラマン」シリーズファンに問うテーマ性
Netflixで話題を呼んだ3Dアニメ『ULTRAMAN』のテレビ放映がTOKYO MX、BS11で始まりました。日本のアニメーション界を牽引する神山健治監督と荒巻伸志監督が初タッグを組んだ『ULTRAMAN』の見どころ、隠されたテーマ性をひも解きます。
Netflixで最も試聴されたアニメ
フル3DCGアニメ『ULTRAMAN』が、TOKYO MXで2020年4月12日(日)から、BS11で4月14日(火)からテレビ放映開始。特撮ドラマの金字塔『ウルトラマン』をモチーフに、最新のモーションキャプチャー技術によって、リアルなバトルアクションが楽しめるSFアニメになっています。2019年4月からNetflixで全13話がネット配信され、日本で最も視聴されたアニメコンテンツとなった話題作です。
原作となっているのは、「月刊ヒーローズ」で連載中の人気コミック『ULTRAMAN』(原作:清水栄一、作画:下口智裕)です。3DCGアニメを得意とする荒巻伸志監督と、『東のエデン』(フジテレビ系)などで人気の神山健治監督が共同演出していることでも注目を集めました。シナリオは神山監督が、絵コンテは荒巻監督がリードする形で進めたそうです。
世界各国にネット配信され、神山監督と荒巻監督はアニメーション界のアカデミー賞と呼ばれる「アニー賞」の監督賞(テレビ/メディア部門)にもノミネートされました。海外でも高く評価され、第2シリーズの制作も決定しています。
強化スーツを着て、ウルトラマンに変身
コミック&アニメ版『ULTRAMAN』がユニークなのは、主人公が変身して、巨大なウルトラマンになるのではなく、強化スーツを着て、等身大の姿で敵と戦うという設定です。荒巻監督は強化スーツの原典であるSF小説『宇宙の戦士』の愛読者であり、劇場アニメ『スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン』(2012年)などを手掛けてきました。「強化スーツ」ものの第一人者と呼べる監督です。
物語の主人公となるのは、高校2年生の早田進次郎(CV:木村良平)。かつて、ウルトラマンと同化し、怪獣や凶悪宇宙人たちと激闘を重ねてきた科学特捜隊の隊員・早田進(CV:田中秀幸)のひとり息子です。ウルトラマンが「光の国」へ帰った後も、早田進の体には「ウルトラマン因子」が残り、息子の進次郎には父親以上の能力が眠っています。
謎の敵・ベムラーが現れたことから、進&進次郎親子はそれぞれ極秘に開発されたウルトラマンスーツを装着して、戦うことになります。初代ウルトラマンにそっくりなウルトラマンスーツだけでなく、密かに存続する科学特捜隊の隊員・諸星弾(CV:江口拓也)はヴァージョン7と呼ばれるウルトラマンスーツを着用して戦います。さらには、裏社会の情報屋と自称するジャック(CV:竹内良太)も登場します。歴代の「ウルトラマン」シリーズと共に育ったファンには、見逃せない展開の連続です。