青春描写が「まぶしすぎる」せい? アニメ『アオのハコ』3話まで見てわかる「賛否」の理由
2024年10月から放送中の『アオのハコ』は、王道ともいえる青春恋愛アニメ作品です。原作マンガは「週刊少年ジャンプ」の人気作品ですが、アニメ版には賛否両論あるようです。そこで実際に3話まで視聴し、レビューしてみました。
青春の輝きを切り取った、まぶしい「先輩への恋」
2024年10月から放送中の『アオのハコ』は、中高一貫のスポーツ強豪校を舞台に、高校1年生の「猪股大喜(CV:千葉翔也)」が、先輩の「鹿野千夏(CV:上田麗奈)」に恋をする青春恋愛アニメです。SNS上ではおおむね高評価であるものの、一部では「見るのがつらい」「きれいすぎる」という声もあるようです。
実際は、どのような作品なのでしょうか。1~3話まで視聴してみました。
●青春のまぶしさを見事に引き出す→「つらい」と感じる視聴者も?
1~3話では、とある理由から大喜と千夏の同居が始まります。同居のことは皆に隠しつつも、それぞれがインターハイ予選に向けて、部活を精一杯頑張るのです。特に、バドミントン部でまだ1年生の大喜は、バスケ部次期エースの千夏に釣り合う自分でありたいと、猛練習を開始します。
視聴してまずハッとさせられたのは、作画の美しさです。早朝の体育館に差し込む光や千夏の髪のツヤなど、「青春っぽさ」を感じるシーンには、効果的に「光」が使われています。特にオープニング映像は動きがとてもなめらかで、1本の映画を見た気分になるほどです。
そして、ヒロインである千夏のかわいらしさもしっかり描かれています。千夏は大喜より年上かつ「バスケ部次期エース」ですが、優しく天然な一面も。いい意味で先輩らしさが薄く親しみやすいので、つい「これは好きになる……」と思わされます。
スポーツ作画の本気度も高く、部活シーンは驚きのリアルさです。CGやモーションキャプチャーをうまく活用し、「アシックス」をはじめとしたスポーツ系企業が設定協力しています。特に1話オープニング明けの体育館シーンは、モブキャラが全員生きているように躍動します。
その一方で、視聴者の一部に「まぶしすぎてつらい」という声もありました。青春の輝きを描き、皆がひたむきに頑張る本作に、いわゆる「リア充」たち(しかもさわやかスポーツ系)の世界という印象を受ける人もいるかもしれません。現実には、スポーツや恋愛が充実した高校生活を体験していない人もいるでしょう。一部の視聴者が「まぶしすぎて楽しめない」と感じるのも理解できます。
●成長を見せる大喜の恋とバドミントンから、目が離せない
とはいえ、安定して高いクオリティの作画、高校部活の熱さや恋愛面の胸キュン、そして随所に挟まるコメディ……といった緩急の演出は見事です。
ストーリーの面でも、大喜はもちろん、親友「蝶野雛(CV:鬼頭明里)」の想いはどう動くのか、千夏は大喜のことをどう思っているのか……? インターハイ予選の行く末もあわせて、続きが気になってしまいます。
(新美友那)
※『アオのハコ』は、「Netflix」「Amazon Prime Video」ほかで見ることができます(配信状況は記事掲載時点のものです)。