愛猫の「鼻」が好きすぎる飼い主 心配が度を越している!?
漫画家の迷子さんによる描き下ろしエッセイ。愛猫の鼻がかわいらしくて大好きな迷子さん。かわいすぎるあまり、心配して妙な妄想をしてしまっているようです。
猫の鼻はウルトラキュート

漫画家の迷子さんによる描き下ろしエッセイ。
迷子さんがかわいすぎる愛猫の鼻を心配している理由……それは「盗まれないか」。これだけかわいければ、収集家が現れてもおかしくない!?
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猫の鼻がいつも心配だ。
猫は挨拶に鼻を寄せてくることが多いので、鼻の様子は毎日チェックできる。湿っている時もあれば、乾いている時もある。寝て起きてすぐは乾き気味だ。匂いを鋭く察知するために濡れているらしく、健康の指標にもなるらしい。
なので、心配だ。
あんなにかわいらしく高機能でかつ濡れたり乾いたりしている複雑なパーツが顔面中央に露出していていいのだろうか? しかも、鼻のすぐ下にはみんな大好きなふわふわマズルが付いている。あんなかわいい物を顔面につけているなんて正気だろうか。
盗まれたりしないだろうか、心配すぎる。保護するべきなのでは。あんなにかわいいのだから高値で売れるに違いない。
オークションサイトでは日夜「猫っ鼻」が高値で売買され、特に美しい猫っ鼻はかわいらしさを超越し、芸術性を見いだされ美術館に展示され、ついには国宝に指定されてしまう。
その後、天才的な怪盗に盗み出された猫っ鼻は、なんやかやあって過去に色々とあった老婆の寝室にひっそりと掲げられ、「おばあちゃんこの猫っ鼻とってもかわいいね! どうしたの?」「そうね、ふふ……」と孫との意味深な会話が交わされてしまうに違いないのだ。
ああ心配だ。心配なので、今日も自分は執拗に猫の鼻を確認してしまう。
(迷子)