女性の幸せは「結婚」だった時代 「画家になりたい!」明るく強く生きる『アルテ』
2020年4月4日(土)より読売テレビほかで放送開始されているアニメ『アルテ』。16世紀初頭のイタリア・フィレンツェを舞台に、貴族の娘・アルテ(CV:小松未可子)が画家を目指して奮闘する物語です。「女性は殿方に気に入られてこそ幸せ」とされた時代にひとりで生き抜こうと頑張るアルテに、明るさと勇気をもらえる作品です。
長い髪をバッサリ! 「自分の道は自分で切りひらく」
月刊誌「コミックゼノン」で大好評連載中のマンガ『アルテ』。大久保圭先生の同作品がこの春アニメ化し、2020年4月4日(土)より読売テレビほかで放送されています。貴族の娘・アルテ(CV:小松未可子)が画家を目指すという一風変わった設定の本作は、「歯を食いしばりながら頑張る姿に感動」「世間の常識を主人公がぶち壊していく」とネット上でも高い評価を得ています。
舞台は16世紀初頭のイタリア・フィレンツェ。ルネサンス発祥の地であり、数多くの工房で絵画や彫刻などの芸術が生まれた時代ですが、女性の自立がまだ認められていない時代でもありました。貴族の家に生まれた主人公のアルテは、たしなみとして習った絵に夢中になり、母の反対をよそに画家になるため街へ繰り出します。しかしどの工房でも弟子入りはおろか話を聞いてもらえず、唯一話を聞いてくれた男性・レオ(CV:小西克幸)に出された課題は、かなりの無理難題で……?
「女が画家に?」「うちの工房なめてんのか!」と、「女である」というだけで話を聞いてもらえないアルテ。現代では考えられないことですが、アルテの母も「まともな生活をしたいと思ったら、殿方に気に入られるしかない」と言うほど、女性に自立は難しいとされていた時代です。しかしそこでくじけず、「そんなに言うなら、もう女なんて捨ててやる!」と長い髪をその場でバッサリ切ってしまうアルテ。その強い意志に、周囲も少しずつ心を動かされていきます。
アルテを弟子にする気はなかったレオは、男でも無理な「明日までに画版20枚の下準備」という課題を出します。アルテはそこでも「チャンスをくださってありがとうございます!」と一晩中頑張り、ついに20枚全て完成させて、レオに見事弟子入りの許可をもらったのでした。
「自分の道は、自分で切りひらかないと!」「同じ後悔なら、自分の望むことをして後悔したいわ」と言うアルテの前向きさや強さに、観ていて元気をもらえる作品です。そのアルテの心情とリンクした歌詞と、透明感のある歌声が特徴のOPテーマ『クローバー』(歌・作詞:坂本真綾)も必聴です。
無事レオの工房に住み込んで見習いをすることになったアルテですが、あてがわれた屋上の部屋は雨がやっとしのげるほどのボロ屋。アルテはきちんと見習いさせてもらえるのか、ボロ屋で暮らしていけるのか……? 2話以降の展開もますます気になるところです。仕事にいまいちやる気が出ない方や元気が出るアニメをお探しの方には、ぜひ観ていただきたい作品です。
(新美友那)