『ヤッターマン』詫びない懲りない諦めないドロンボー一味の迎えたちょっと切ない結末
リメイクや実写化も大いに話題となったTVアニメ『ヤッターマン』、そのオリジナル版最終回の放送から45年が過ぎました。毎度お約束の展開を見せる同作の、全108話にもおよぶ物語の締めくくりはどのようなものだったのでしょうか。
タイムボカン」シリーズの中でも随一の人気作
1977年から79年にかけて放送されたTVアニメ『ヤッターマン』は、「タイムボカン」シリーズの第2作として制作され、2年で全108話が放送される大ヒット作品となりました。その後は「タイムボカン」シリーズ中で唯一リメイクや劇場化が行われるなど、絶大的な人気を長く保ち続けています。
『ヤッターマン』の何が心を引き付けるのでしょうか。
まず子供たちに受けたのが、ヒーローが男女ペアだったことでしょう。おもちゃ屋の息子である「ガンちゃん」とガールフレンドの「アイちゃん」がともに「ヤッターマン」へ変身して悪と戦う姿は、男の子にとっても女の子にとっても極めて魅力的な存在となりました。
当時のアニメでは女性の活躍も目立つようになってきてはいましたが、まだサポート要員的な役柄にとどまることも多く、完全に対等なヒーローペアはそれほど多くはありませんでした。家にTVが1台しかない家も多く、子供の数も今よりずっと多かった時代、男女ともに楽しめる作品は貴重だったのではないでしょうか。
次に地球のどこかにあるお宝を探して駆けまわる冒険譚は、子供心をくすぐる魅力を備えていました。ストーリー的にも世界の七不思議や児童文学のパロディなど、なんとなく知っている親しみのある題材だったのも見逃せないポイントでしょう。
そして「ヤッターワン」「ヤッターキング」をはじめとする多種多様なメカが毎週のようにお茶の間を賑わせてくれていたのも大きいでしょう。特にヤッターワンが敵のメカと相打ちになり、「これからどうなるんだろう?」と不安を感じていた子供にとって、翌週登場したヤッターキングの強さと迫力は忘れがたいものがあるのではないでしょうか。
また、メカの素を食べたときにどんなメカが出てくるのか、今週は搭載している小型のヤッターメカのどれが出てくるのかなど、ランダムな楽しみがあり大きな魅力となっていたのも重要です。
もちろん、ヤッターマンたちの敵となる悪党、「ドロンボー一味」の魅力も見逃せません。スタイル抜群で頭脳明晰な女ボス「ドロンジョ」、頭脳担当の「ボヤッキー」、パワー担当の「トンズラー」と、前作『タイムボカン』のフォーマットを踏襲してはいるものの、人気や知名度で言えばドロンボー一味の方が上といえるでしょう。悪事を働いているのにどこか真面目で、何度負けても決してくじけず仲間と共に何度でも立ち上がるその姿に心ひかれた方も多いのではないでしょうか。