【声優・本多真梨子のマンガ愛(6)】人生やり直し物語『捨てられた皇妃』の3つの「推し」
マンガをこよなく愛する声優、本多真梨子さんが、心からおすすめしたいマンガを語ります。第6回は、異世界の関わりはあるけれど、「異世界もの」ではない作品。過酷な運命を自ら変えていこうとする、ひとりの少女の物語です。
残酷な運命に抗う、やり直しの物語。
4月も半ばを過ぎましたが、春は始まりの季節。みなさんは、人生をやり直せるとしたら、やり直してみたいですか?
私も友人たちと「何歳からやり直したい?」とか、やり取りしたことがありますが、実際にその時代に戻って新しい人生を歩むって、並大抵なことではないと思うんです。
だって、あの頃はあの頃なりに、大変なことを乗り越えてきたわけですし。
やり直すのであれば、それ相応の覚悟を持って挑まなきゃ、同じことを繰り返すんだろうなぁって思うのです。そんな人生のやり直しを描いた作品、『捨てられた皇妃』。
冒頭、ひとりの皇妃が処刑されるシーンから始まります。
冒頭から重い!! で、その処刑されるまでの経緯が描かれていくわけですが……。こんな、こんな、こんな…残酷なことってある!? と苦しくなるくらい、皇妃の切なく、悲しい心境が綴られます。
ただ、愛されたかっただけなのにーー。
未来の皇后として育てられたアリスティアは、ただ皇帝のためにと必死で学んで努力をしてきました。そんな中、急に現れた異世界の少女美優。皇帝は彼女を愛し、アリスティアは反逆罪に問われ、処刑されます。
この過去編を6話分も語ってくれるので、読者はもう、アリスティアが可愛そうで可愛そうで悲しくて……胸がキューーッてなります。こんな悲しい運命があるのか……と。
もし生まれ変わったとしても、二度とあなたを愛したりしないーー。
アリスティアは処刑され、目覚めると……なんと、9歳の自分に転生していた! 神をも否定し、自分の運命に背を向ける。この残酷な運命を切り開くことはできるのか? ……というお話になっています。
もう、ほんと、めちゃくちゃ推してる作品なので、話したいこといっぱいあるんですが、その中で3つの「推し」をお話させてください!!!