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90歳で現役!少女漫画家わたなべまさこ 改めて読みたい名作と新連載への期待

1929年生まれ、漫画家デビューから68年、少女マンガのレジェンド・わたなべまさこ先生が2020年4月からマンガアプリで新連載を開始したことで注目を集めています。読む者の心をつかんで離さない、わたなべまさこ先生の名作をいま一度振り返り、最新作のこれからを展望します。

1952年に漫画家デビュー、新連載はマンガアプリで配信

わたなべまさこ先生の最新作『秘密ーひめごとー』。マンガアプリ「マンガMee」で連載中
わたなべまさこ先生の最新作『秘密ーひめごとー』。マンガアプリ「マンガMee」で連載中

 わたなべまさこ先生のオリジナル新連載『秘密ーひめごとー』が2020年4月14日から、集英社のマンガアプリ「マンガMee」でスタートしました。記事執筆時点(4月23日)で8話まで公開されている『秘密ーひめごとー』はどんな作品で、どんな展開を見せていくのか? 少女マンガに詳しい芸人の別冊なかむらりょうこさんが、いま一度先生の名作を振り返りながら解説します。

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 わたなべ先生は、1929年生まれの現在90歳。1952年に貸本出版社より『小公子』を刊行しデビュー、1950年台後半より多数の少女マンガ誌で作品を発表。日本少女マンガ界の草分けとなりました。

 2019年には初の絵本『中国怪奇絵巻 妖の絵本』を刊行するなど、90歳を迎えてもなお意欲的に執筆を続けているわたなべ先生が、マンガアプリで新作の少女マンガを連載開始! これはとてもワクワクしますね。

1970年小学館漫画賞受賞作品『ガラスの城』

『ガラスの城』Kindle版第1巻(集英社)
『ガラスの城』Kindle版第1巻(集英社)

 わたなべまさこ先生といえば、『ガラスの城』が頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。1969年?1970年、集英社『週刊マーガレット』にて連載された同作は全8巻が刊行され、当時から爆発的な人気となりました。

 今見ても、表紙からその可愛らしさがあふれ出ています。大きな瞳にツンと高い鼻、ぷっくりと可愛い唇に小さな顎、それを際立たせる美しい髪に、仕立ての良いドレス。さぞかし、華やかで幸せな物語が始まるのかな……なんて気持ちを大きく裏切ってくれるのが、『ガラスの城』でございます。

 舞台はロンドン。派手好きなイサドラと慎ましい性格のマリサという双子の女の子が主人公です。ある日、2人の母親が事故死をしてしまいます。イサドラは母親の遺品から、妹のマリサは誰もが憧れてやまないストラス・フォード伯爵家の娘であったことを知ってしまうのです。

 イサドラはマリサが伯爵家の娘であることを証明するペンダントを自分宛のものだと偽り、自分こそが伯爵令嬢であると成りすまします。念願の上流階級へと登り詰めたイサドラと、なにも知らずに姉を慕い続け城の召使いとなったマリサ。その運命やいかに……。

 人を欺き、秘密を抱えたイサドラの徹底的な悪女っぷりが、とにかく凄い作品です。今の地位を脅かしかねない妹マリサを精神的にも肉体的にも、これでもかと虐めまくります。その手は周囲にも伸び、自分にとって敵だと判断した人間が現れようものなら殺人ですらなんのその。

 そんな姉を信じ、全てを許すマリサの海より広い優しさ。映画やドラマに見る「悪い姉、心優しき妹」像は『ガラスの城』が始まりだったんだ!とわかる作品です。誰しもが憧れる煌びやかな世界観と、善悪どちらにも共感してしまう人間模様、そして戦慄的展開のギャップにどうぞやられてください。

【画像】ファッションの描き分けも絶妙! わたなべまさこ先生の少女イラスト(5枚)

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