『FF3』30周年! 地獄のラストダンジョン、セーブポイントはどこに?
1990年4月27日、スクウェア(現:スクウェア・エニックス)からファミコン用ソフト『ファイナルファンタジーIII』が発売されました。超難易度のラストダンジョンがプレイヤーを苦しめた作品の裏には、天才プログラマーの存在がありました。
セーブポイントはどこに?地獄のラストダンジョン突破
1990年4月27日にスクウェア(現:スクウェア・エニックス)から発売されたファミコン版『ファイナルファンタジーIII』(以下、FF3)は、ジョブチェンジシステムや召喚獣システムが導入されたシリーズ最初の作品です。スクウェアのファミコンカセット最高の140万本あまりを売り上げ、続編もファミコンで発売される予定でしたが、さまざまな事情から開発がとん挫したため『FF3』がシリーズ最後のファミコン作品となりました。プレイ当時の思い出を、ライターの早川清一朗さんが語ります。
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『FF3』と聞いて思い出すのが、なんといっても超難易度のラストダンジョン攻略です。
「ご飯よ」
「もうファミコンやめなさい」
母親のこの言葉に、何度無念の思いをかみしめながらファミコンの電源を切ったのかは思い出せません。
「古代民の迷宮」と「禁断の地エウレカ」は結構楽なのですが、問題は「クリスタルタワー」以降です。とにかく長い。セーブポイントがない。敵が強いの三重苦。今でもファミコン最難関ダンジョンは『FF3』だと断言できます。特に「ほのおのまじん」の全体攻撃「ほのお」を喰らったときや、「クムクム」の「デス」が炸裂したときなど目も当てられません。「サイレス」で封じつつ、「トード」や「デス」の魔法で即死を狙っていたような記憶があります。
そしてようやく「まおうザンデ」を倒したと思ったら、そのままラストダンジョン「闇の世界」へと突入しなければいけません。「なんでここにセーブポイントがないんだよ!」と何度キレたことやら。
後々知ったのですが、本来はここにセーブポイントがあったのだそうです。しかしあるデバッガーが「こんなの楽勝ですよ」「チョロイ、たるい、こんなんじゃ歯ごたえがない」と言い出し、ディレクターの坂口博信氏が怒ってセーブポイントを取り払ってしまったため、鬼畜難易度のダンジョンとなってしまったのだそうです。
そのデバッガーの名前は鈴木敏章氏。後にスクウェアに入社し、FF11、14、15の開発に携わっています。