マグミクス | manga * anime * game

おーい、コンプラどこいった? 令和の地上波ではあり得ない「下ネタ全開」平成アニメ

今や『クレヨンしんちゃん』の「しんのすけ」が気軽にお尻を出せなくなるほど、コンプライアンスに厳しい時代です。令和ほどうるさくなかった平成のアニメ界隈には、地上波放送されていたとは思えないような作品が目白押しでした。

かつて「今期一番ひどい(褒め言葉)アニメ」と称された問題作

『おぼっちゃまくん』場面カット (C)1986 Yoshinori Kobayashi/TV Asahi
『おぼっちゃまくん』場面カット (C)1986 Yoshinori Kobayashi/TV Asahi

 コンプライアンスが重視される昨今、TVの放送規制は年々厳しくなるいっぽうです。それだけに今改めて平成期のアニメを振り返ってみると、「これを地上波で?」と心配になるような内容もあり、驚きを隠しきれません。

 たとえば、カプコンのオンラインゲームを原作とした『イクシオン サーガ DT』は、原作とは似ても似つかぬアニメとして話題を呼びました。

 あらすじとしては、現代から異世界へと召喚された主人公「火風紺(ほかぜ こん)」が仲間たちとともに冒険に出るという、一見すると王道の異世界転生アニメです。しかし、タイトルにある「DT」含め、その実態はハイテンション下ネタギャグ作品でした。

 まずゴールデンボンバーが歌うオープニング主題歌「DT捨テル」から下ネタ全開で、爽やかな曲調で「DT」の悲哀が婉曲的に歌われています。また作中でも主人公の「DT」がやたら強調されたり、真剣勝負かと思いきや金的でトドメを刺したりと、過激な要素が目白押しです。

 ちなみに監督の高松信司氏、シリーズ構成の大和屋暁氏、キャラクターデザインの竹内進二氏といえば、これまた下ネタの多さでも有名なアニメ『銀魂』を手がけた面々として知られています。『銀魂』スタッフ勢ぞろいのアニメというだけでも、『イクシオン サーガ DT』がいかにコンプラを無視した作品だったかが、うかがい知れるのではないでしょうか。

 平成末期の2018年に放送された『ぐらんぶる』もまた、よく地上波で放送できたなと思える作品でした。大学のダイビングサークルに入った主人公「北原伊織(きたはら いおり)」の汗と涙の青春コメディー、というと聞こえはいいですが、実際に繰り広げられるのは屈強な男たちが飲み踊る、酒と裸のキャンパスライフです。

 明らかに海へ潜るよりも酒に溺れている姿のほうが多く、酒の力で羽目を外すことに抵抗がなくなった伊織は、回を増すごとに醜態がヒートアップしていきます。

 同作が放送された当時は、すでにコンプラ意識が高まりつつある時代でしたが、物語が始まる際に「あくまでギャグアニメとしてご覧ください」と注意テロップを表示したり、未成年飲酒にならないよう伊織たちの年齢を底上げしたりと、スタッフたちの涙ぐましい(?)努力が感じ取れました。

 それでも内容が内容だけにアニメ2期の放送が危ぶまれていましたが、2024年9月に続編の制作が発表され、早くもネット上では期待の声とともに、「令和の時代にアレは許されるのだろうか(笑)」などのコメントが後を絶ちません。

 実に6年越しの続編決定が発表された一方で、放送終了から30年ぶりに新シリーズの制作が決定したアニメがあります。それが、平成初期に子供から絶大な支持を集めた『おぼっちゃまくん』です。しかも日本ではなく、現在ブーム到来中だというインドで制作されることが決定しました。

 同作は、財閥の御曹司である「御坊茶魔(おぼう ちゃま)」を主人公とするギャグアニメです。下ネタが大部分を占めることから、PTAが選ぶ「子供に見せたくない番組」の常連としても知られています。

 あまりの下ネタの多さから、再放送の際には放送規制に引っかかり、TVで放送できなくなったエピソードもありました。その最たる例が72話です。後半に放送される「へけけの毛」が男児の陰毛をテーマとしているほか、作中には下半身のアップがたびたび映し出されます。当時は普通に放送されていましたが、おそらく令和の地上波で観るのは難しそうです。

(ハララ書房)

【画像】え…っ? はいアウトーーッ!こちらが『おぼっちゃまくん』伝説の「友だちんこ」です

画像ギャラリー