全話無料公開中『ここはグリーン・ウッド』 男性も愛読、手元に揃えたくなる!
光流先輩と忍先輩の圧倒的な存在感

この作品は魅力あるキャラクターが大勢登場しますが、そのなかでも際立った個性を持つのが光流先輩と忍先輩です。ストーリーの中心軸にいることも多く、このふたりが主人公なんじゃないかと思えるほど出番が多くなっています。
光流先輩はアイドル級の容姿の持ち主で運動神経も抜群、喧嘩も強く、顔に傷がつくとなぜか数秒で完治するという特異体質の持ち主です。蓮川のことを「スカ」と名付け、いろいろといじり倒しますが面倒見も良く、困ったときにはたいていの場合助けてくれる心強い先輩です。
忍先輩は地方(長野)の名家出身で、何をやらせても天才級にこなす能力の高さから、兄と姉を差し置いて跡取りになることを期待されています。常に冷静沈着、冷酷無比に人の弱みを握り学園を支配していますが、初めての友人である光流とは対等の関係を築いています。寮生活が終わっても、卒業後も一緒に暮らそうとしているあたり、光流との生活が本当に気に入っているのでしょう。
後輩の立場からすると、いろいろ困った人ではありますが、いざというときは本当に頼りになるタイプの方々です。しかし先輩や上司としてこのふたりがいたら、間違いなく大変そうな気がします。忍先輩のお兄さんはドロップアウトし、お姉さんは変な方向にねじ曲がってしまっていますが、身内の下にこういう人がいたら、そりゃそうもなるでしょうと同情したくなること請け合いです。
ラジオドラマやOVAでは光流先輩の声を岩田光央氏、忍先輩の声を関俊彦氏が担当し、ラジオのパーソナリティも務めていました。
2008年に放送されたTVドラマでは、岩田光央氏がナレーションを務め、最終話ではスペシャルゲストとして登場、かつてグリーン・ウッドの寮長だったと語り、往年のファンを喚起させるといううれしいサプライズもありました。
当時、爆発的な人気を誇っていた「花とゆめ」のなかでも看板作品を張った『グリーン・ウッド』の魅力は膨大すぎてとても語りつくせません。
ぜひ、この機会に読んでみることをお勧めします。おそらく当時の筆者のように、手元にそろえたくてたまらなくなるでしょう。
(早川清一朗)