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スパロボ参戦『星銃士ビスマルク』 記憶を呼び戻したMIO『不思議CALL ME』

MIO(MIQ)の歌声が脳に響いた

『不思議CALL ME』も収録『MIO(MIQ) パーフェクト・ベスト』(キングレコード)
『不思議CALL ME』も収録『MIO(MIQ) パーフェクト・ベスト』(キングレコード)

 懐かしい映像をみんなで見ていた時に、不意に流れだしたのがMIO(現:MIQ)さんの歌う『ビスマルク』のオープニング曲『不思議CALL ME』でした。それまですっかり『ビスマルク』のことを忘れていたはずの筆者の脳は、その瞬間に殴られたような衝撃を受け、思い出すこともなかった『ビスマルク』のことが、頭のなかに一気に蘇ってきたのです。あれは不思議な経験でした。MIQさんの透明感のある力強い歌声には、記憶すら呼び起こすほどのすさまじい力があるのだと思い知らされました。

 それからしばらくの間、筆者は『ビスマルク』を見るために奔走しましたが、VHSもLDも出ておらず、TV放送を録画している人もいなかったため視聴はかないませんでした。

 しかし2002年になり、ついにDVDが発売されます。当時お金がなかったのでBOX1だけ購入して2は見送ったのですが、今では高騰してしまい手が出ない状態です。それでも良質なオープニングや作品自体を見ることができるようになったことには安堵しました。

 17年ぶりに見た『ビスマルク』でしたが、強化服・プロテクト・ギアをまとった主人公チームの軽やかなアクションや掛け合いが重視されている作品であると感じました。ストーリーは全体として軽やかで、キャラクターのやり取りのテンポもかなり良く、今でも視聴に耐える良作です。特に島田敏さん演じるリチャード・ランスロットが騎乗するスペースホース「ドナテルロ」は見たら忘れられない印象的な存在と言えるでしょう。もちろんビスマルクも、全砲門一斉射撃「オルガニックフォーメーション」できっちり最後をしめ、水戸黄門の印籠のような存在感を見せてくれます。

 そんな『ビスマルク』がついに『スーパーロボット大戦X-Ω』で「スパロボ」シリーズに期間限定とはいえ初参戦を果たします。長い間、未参戦作品として名前が挙がっていた本作の参戦には並々ならぬ苦労があったかと思います。これを機に、ブルーレイとして再発売されないかと切に願っております。かすかに記憶に残っている、解体したはずのビスマルクに、突然2号機が登場した48話をもう一度見たくて仕方がありません。

(早川清一朗)

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