ソーシャルディスタンスの時代 アニメ『のんのんびより』を見たい「4つ」の理由
2020年5月5日から、ABEMAビデオにて、アニメ「のんのんびより」シリーズの期間限定全話無料配信が始まりました。とある地方の小中併設校・旭丘分校は、全学年合わせても生徒がたったの5人。そこに通う子供たちの日常を描いた作品内容には、新型コロナウイルスの影響を受けた時代にこそ見たい理由があります。
誰にとっても懐かしいと思える「ふるさと」

こどもの日である2020年5月5日の0時から、ABEMAビデオにて、アニメ「のんのんびより」シリーズの期間限定全話無料配信が始まりました。『のんのんびより』は、あっと先生の同名マンガを原作とした大人気シリーズ。とある地方の小中併設校・旭丘分校は、全学年合わせても生徒がたったの5人。そこに通う子供たちの日常を、ユーモラスかつヒューマンに描いた作品です。
さて、「ソーシャルディスタンス」という言葉が、当たり前に使われる時代になりました。新型コロナウイルスの蔓延を少しでも抑えるために、人と人との間に物理的な距離を置こうというものです。ゴールデンウィーク中の里帰りも、いわゆるオンライン帰省の方が今年はほとんどでしょう。
互いに離れた場所にいると、心まで遠ざかったように感じて寂しくなります。そんな時には、「おかえり」と、世界一の優しさで迎えてくれる何かがあればと心から思います。アニメ『のんのんびより』は、どんな人にとっても、きっとそんな存在になってくれるはず。今だからこそこの作品を見るべき理由を、4つに分けて紹介します。
(1) 本当に田舎に帰った気分になれる。
見渡すかぎりの緑と、風にそよぐ水田の稲穂。夜になるとちょっとコワイ鎮守の森の神社があって、縁側のある古い家の軒先では、風鈴が時々チリンと音を立てる。それは、たとえ生粋の都会っ子であっても、おのずと懐かしさを覚える「ふるさと」の風景。都会の学校から転校してきた女の子・一条蛍(CV:村川梨衣)の不安な心をほどいたのも、旭丘分校の新しい友達が見せてくれた、この里山の景色でした。ちっちゃくて子供っぽいのにお姉さんぶりたがる越谷小鞠(CV:阿澄佳奈)や、その妹でちょっぴり生意気な夏海(CV:佐倉綾音)、独特な感性を持つ宮内れんげ(CV:小岩井ことり)。新しい友達だけでなく景色そのものが、「おかえり」と言ってくれたように、蛍は感じたのかもしれません。
(2) 懐かしい物が心を癒してくれる。
里には駄菓子屋があって、住民のためのよろず店も兼ねている様子。小さなトンネルをくぐってそこに行けば、大人のアニメファンであれば見覚えのある、お菓子やオモチャがたくさん並んでいます。見た目は少し不良っぽい駄菓子屋も、内面は気のいい女性で、れんげのことをとりわけかわいがっています。ちなみに、お姉さんぶっている小鞠は、この駄菓子屋で1万円札を使った大人買いを目撃してビックリしてしまいます。
家族ビデオを録画したVHSテープだったり、寝る時に明かりを「夕方」にするための豆電球だったりも、子供時代を思い起こさせるアイテムです。「これはこういうものなんだよ」と、知っている人が知らない人に語ることで、新しいつながりも生まれるはず。あの頃、道端で拾ったカッコイイ形をした木の棒は、想像のなかでは伝説の剣でした。何でもないけれど大切にしたいそんな記憶は、誰だって持っているのではないでしょうか。