「もう30年なの?」1995年に放送された「ただの名作じゃない」重要アニメ
今から30年前となる1995年は、アニメの世界に革命をもたらした作品が続々と登場し、世界的なアニメブームの礎(いしずえ)を作り上げました。「もう30年なのか」と感じるほど、当時から現在まで高い人気を保ち続けている傑作を紹介します。
アニメの世界に「革命」が起きた年

いまから30年前となる1995年は、アニメの世界に革命をもたらした作品が続々と登場しました。なかには、現在まで人気が続く名作であるというだけでなく、アニメ表現やアニメビジネスにおいて後世に影響を与えた作品もありました。
1995年10月から放送された『新世紀エヴァンゲリオン』は、そうした点で特筆すべきTVアニメでした。『新世紀エヴァンゲリオン』は、魅力的なキャラクターと斬新な演出、ストーリー展開で爆発的な人気を獲得した作品です。制作は『ふしぎの海のナディア』などで注目を集めた「GAINAX」。監督及び原作を務めたのは後に『シン・ゴジラ』など「シン・シリーズ」を手掛けた庵野秀明氏です。
放送前からマニアの視線を集めてましたが、いざ放送が始まると今まで見たことがない映像や「人類補完計画」を始めとする謎の数々、エヴァのパイロットを務める「綾波レイ」と「惣流・アスカ・ラングレー」の人気もあり、パソコン通信やインターネットの掲示板には考察があふれかえり、時には激しい討論も繰り広げられました。
また、同作は多数の出資者を募る「製作委員会方式」を採用したことも注目の的となりました。キャラクターグッズや映像(LDやVHS)の売り上げも莫大な額に登ったため「小さなリスクで参入でき、ヒットすれば大きな利益を上げられる」モデルケースとなり、後に多くのアニメが作られるきっかけとなった作品でもあります。
ガンダムキャラに「新たな描き方」を

1995年4月から放送された『新機動戦記ガンダムW』は、ガンダムを操縦する5人のパイロットと周囲の人びとが、戦いの中で己の存在意義を見い出していく物語です。アメリカではじめて放送されたガンダムシリーズでもあり、海外人気も高い作品として知られています。
また、ヒイロ・ユイやデュオ・マックスウェルなど主人公たちを美少年としたのも本作の大きな特徴であり、多くの女性ファンの獲得に成功しています。他にも乗る機体が固定されがちなガンダムシリーズとしては異例と言えるほど乗り換えが多かったのも特筆すべき点でしょう。
それまでのガンダムシリーズでは添え物として使われることが多かった女性キャラも「W」では独立した女性として描かれることが多く、特にヒロインのリリーナ・ドーリアン(ピースクラフト)の成長は作品の軸として機能しました。第1話でヒイロに「お前を殺す」と言われたときのリリーナから、ラスト間際の強さと優しさを併せ持つ姿を想像するのは、難しいのではないでしょうか。


