『ワンピ』作者が「何なんだよキミらは!」 読者からの細かすぎる指摘で判明した重要設定
マンガ『ONE PIECE(ワンピース)』の質問コーナー「SBS」では、登場人物の重要な情報や裏設定が明かされることがあります。なかには、本編の細かい描写に関する質問により、意外な事実が判明したキャラもいました。
物語を追っているだけでは見落とす場所に重大情報が…?

マンガ『ONE PIECE(ワンピース)』(原作:尾田栄一郎)には、細かな描写に登場人物の重要な情報が隠されていることがあります。コミックスの質問コーナー「SBS」では、ファンが気付いた細かい描写への指摘から、本編では明かされていない事実が判明することもありました。
登場人物の裏設定として多くの読者を驚かせたのが、「ワノ国編」で主人公「モンキー・D・ルフィ」を助け、大活躍した「お玉」の血筋です。105巻のSBSでは、104巻1051話で、お玉が参拝する両親の墓標に記された文字が「黒炭」と読み取れる件について聞かれ、尾田先生は彼女の本名が「黒炭玉」であると明かしました。
黒炭家といえば、過去の出来事を理由に「ワノ国」で迫害されてきた一族です。そのなかでも「黒炭オロチ」は復讐心から将軍に成り上がり、国を支配し圧政を敷きました。一方で、お玉は本名が隠されたまま迫害を受けることはなく、むしろオロチに失脚させられた元将軍「光月スキヤキ」に保護されていました。この血筋の判明により、オロチと対比的に描かれたお玉の立場に注目が集まり、彼女の今後を心配する声もあがっています。
尾田先生も、お玉の血筋が周囲に知られたときについて、「色々想像してみてください」「昔も今もこれは社会の大きな問題」とコメントし、深いテーマを投げかけています。迫害の歴史がもたらす負の連鎖を断ち切ることは、政権が変わった後の「ワノ国」に残された課題ともいえるでしょう。
続いて78巻のSBSでは、76巻762話で「コラソン」が読んでいた新聞にさりげなく描かれた「クロコダイル」について質問されました。具体的には「どのような記事か」聞かれ、彼の謎めいた過去が判明します。
20代前半で王下七武海に加入したクロコダイルは、四皇「白ひげ」に惨敗後「アラバスタ王国」への野心を抱いたそうです。その新聞では海賊を狩る英雄として扱われ、表向きは英雄として登場した「アラバスタ編」につながる過程が判明します。
もともとクロコダイルは白ひげに因縁のあるようで「元白ひげ海賊団説」などがささやかれており、このSBSによって過去の「惨敗」がクロコダイルに大きな影響を与えたことが分かりました。
白ひげの圧倒的な力に絶望し、「アラバスタ編」での「負け犬は正義を語れねェ」などのセリフにつながったとも考えられます。ファンの間でうわさされていたクロコダイルの過去や白ひげとの因縁は、尾田先生の回答で少し明かされたものの、「(これ以降の内容は)SBSで消化せず本編で描いてほしい」と熱望されています。
ほかにも、60巻のSBSでは、57巻558話のエースの回想シーンに隠された伏線が注目されました。この回想では、ルフィとエースが兄弟盃を交わしていますが、当時は存在が明かされていなかったもうひとりの義兄「サボ」の盃の影がうっすらと描かれていたのです。
そして「ドレスローザ編」でのサボの登場後は、3人で盃を交わしていたことが明らかになり、60巻のSBSでは尾田先生も盃の影をサボのものと答えています。尾田先生いわく、558話の時点で言及すると話がややこしくなるため「バレないようにこっそり描いておいた」そうです。しかし、サボ登場前から影に気付いた読者もおり「何なんだよキミらは!!正解だよ!!」と、感心する様子もうかがえました。
(LUIS FIELD)