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発行部数2割増しも売り切れ続出に? 語り継がれる最終回を迎えた名作マンガ

数多くのマンガがあるなかで、のちに「伝説」といわれるほどの結果を残した作品があります。偉業を達成したのはもちろん、情報番組が取り上げるほどの結末、予想外すぎるラストが描かれたなど、さまざまなケースがあげられます。例えば、どのようなマンガが当てはまるのでしょうか?

ひと口に「伝説」といってもパターンはさまざま

最終巻の『鋼の錬金術師』第27巻 著:荒川弘(スクウェア・エニックス)
最終巻の『鋼の錬金術師』第27巻 著:荒川弘(スクウェア・エニックス)

 人気を博して長らく連載されたマンガ作品の最終話は、多くの読者から注目を集めます。ときには、いまだ語り草になるほどの「伝説回」となることもありました。

 例えば2001年から2010年まで「月刊少年ガンガン」(スクウェア・エニックス)にて連載された『鋼の錬金術師』(作:荒川弘)は、最終話で伝説を残した作品といえるでしょう。

 同作は錬金術の存在する世界で、禁忌「人体錬成」によって体の一部を失った兄「エドワード・エルリック」と弟「アルフォンス・エルリック」が、元の姿を取り戻す手掛かりとなる「賢者の石」を探す物語です。最終話では人工生命体「ホムンクルス」との戦いによってアルフォンスを失い、エドが錬金術の能力を代価にアルフォンスの身体と魂を取り戻す様子が描かれました。

 そして、伝説といわれるようになったきっかけは、最終話が掲載された「月刊少年ガンガン」2010年7月号の発行部数です。もともと7月号は部数が普段の2割増しで発刊されましたが、全国の書店で売り切れが続出します。さらに、留まらない人気に応えて9月号で再掲載される異例の措置が取られました。

 また、伝説の最終話といえば、2004年から2018年まで「週刊少年ジャンプ」にて連載された『銀魂』(作:空知英秋)も外せません。同作は、江戸時代を舞台に「坂田銀時」「神楽」「志村新八」といったキャラを中心によるパロディやアクションが描かれる作品で、2018年の「週刊少年ジャンプ38号」にて「最終回まで残り5話」と告知され、情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)でも取り上げられています。

 そして、迎えた最終話では、終盤にアイドル「寺門通」が『テニスの王子様』の作者である許斐剛さんが自ら歌った「テニプリっていいな」の歌詞を歌い出したり、銀時の盟友「桂小太郎」が「ページが足りん」と白状したりと、驚きの展開が繰り広げられました。

 さらに、桂は作中で『ZIP!』で取り上げられたことについて「わざわざニュースにしやがって」「桝めェ!! 許せん」と言及し、同番組のアナウンサーである桝太一さんの名前を出しています。結局、最後のコマで銀時が「俺たちの戦いはジャンプGIGAからだァァ!!」と叫んで終わり、中途半端な状態で本誌の連載を終えたのです。ちなみに、その後の「少年ジャンプGIGA」でも終えることができず、「銀魂公式アプリ」で完結を迎えました。

 ほかには、まさかの結末によって伝説となった作品が『かってに改蔵』(作:久米田康治)です。同作は1998年から2004年まで「週刊少年サンデー」(小学館)にて連載された1話完結の作品で、自分のことを改造人間だと思い込む主人公「勝改蔵」や幼なじみの「名取羽美」などを中心にギャグ展開が繰り広げられます。

 最終話では、改蔵と羽美は閉鎖病棟に隔離されており、これまで描かれた物語はすべて彼らの妄想だったという結末で締めくくられました。まさかの急展開に、ファンの間で賛否は分かれたものの、読者からは「最後はアレだったけど、シュールなギャグはピカイチ」など高く評価する声が目立ちます。

 以降に登場した久米田さんの作品『さよなら絶望先生』や『かくしごと』も、ラストで伏線を回収していくどんでん返しが描かれ、『かってに改蔵』も含めていまだにネット上で語り草になっています。

(LUIS FIELD)

【画像】実はまだ終わっていない? こちらがいまだに続いている超有名マンガです(3枚)

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