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手描きアニメの最高峰、OVA『ロードス島戦記』 食費を節約して購入した甲斐が!

水野良氏による小説『ロードス島戦記』は、1988年に刊行が開始されました。当時の日本では認知度が低かった「ファンタジー世界」を描いた作品を世に広めた立役者でもあります。多くのメディアミックスがされましたが、OVAは手描きアニメの最高峰と呼べる出来栄えです。

毎月必死にお金を稼ぎ、購入にこぎつけたOVA『ロードス島戦記』

『OVA版ロードス島戦記』 デジタルリマスターBlu-rayBOX スタンダード エディション(KADOKAWA / 角川書店)
『OVA版ロードス島戦記』 デジタルリマスターBlu-rayBOX スタンダード エディション(KADOKAWA / 角川書店)

 1988年に刊行が開始された水野良氏の著作『ロードス島戦記』は、当時の日本では認知度が低かったファンタジー世界を広めた立役者として今なお根強い人気を誇っています。過去数回のアニメ化も果たしますが、なかでも1991年に発売が開始されたOVA版は主人公・パーンを声優の草尾毅さん、ヒロインのハイエルフ、永遠の乙女ディードリットを冬馬由美さんが担当し、13巻合計で55万本を売り上げるなど大きなインパクトを残しました。OVAの発売当時は高校生で、あの手この手でお金を稼いでどうにか13巻すべてを購入したライターの早川清一朗さんが、当時の記憶を語ります。

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『ロードス島戦記』

 この作品は、日本のファンタジーやライトノベルについて語るとき、絶対に欠かすことができない特別な存在です。

 元々は雑誌『コンプティーク』にテーブルトークRPGのリプレイとして連載されていた作品を水野良氏が小説化し、まだライトノベルという言葉がなかったころから多くの人に圧倒的な支持を受け、日本にファンタジー世界の概念を根付かせる原動力となりました。2019年には最新作である『ロードス島戦記 誓約の宝冠1』も発売され、パーンやスパークたちの次の時代の物語が始動しています。令和の時代にも新しい『ロードス島戦記』が楽しめる。そして再びディードリットに会えることを感謝するほかありません。

『ロードス島戦記』はその人気の高さから、多くのメディアミックスが行われています。アニメ化も数回行われていますが、一番はじめに制作されたのが、1991年から発売された全13巻からなるOVA版です。

 当時の筆者は高校生で熱狂的な『ロードス島戦記』ファンでした。それでも最初にOVA版の発売を知ったとき、その値段の高さからさすがに諦めようとしたことを覚えています。高校生の小遣いでは到底手が届くような代物ではなかったのです。

 それでも購入特典として出渕裕氏描き下ろしディードリットのテレホンカードが付いてくることを知り、あきらめきれなかった筆者は、昼食代を節約し、こっそりアルバイトをするなどしてどうにかお金を貯め、OVAを購入し続けていました。今から考えると、若さゆえの情熱とは本当にすさまじいものです。

【画像】ファン垂涎!出渕裕氏描き下ろしテレホンカード

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