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手描きアニメの最高峰、OVA『ロードス島戦記』 食費を節約して購入した甲斐が!

手描きアニメの最高峰

著:水野良『ロードス島戦記 灰色の魔女』 ORIGINAL EDITION(KADOKAWA)
著:水野良『ロードス島戦記 灰色の魔女』 ORIGINAL EDITION(KADOKAWA)

 そうして手に入れたOVA版『ロードス島戦記』は、それまで見ていたアニメとは一線を画す出来栄えでした。

 それまでは挿絵や文章を元に想像した世界でしかなかったファンタジー世界が、重厚さすら感じる絵柄で描かれており、さらにはキャラクターたちが実によく動いていたのです。第1話ではパーンたち主人公パーティとドラゴンとの戦いが描かれていましたが、人間とドラゴンのスケールにはこんなにも差があるのかと驚かされました。設定資料で何メートルくらいと書かれていても漠然としたイメージしか湧いてきませんが、アニメでは体長と容積が視覚化され、圧倒的な違いをはっきり見せてくれたのです。

 また、ファンタジー世界における細やかな描写、例えば剣でのモンスターとの戦い方、魔法の演出、城塞や村々、それに衣装などもOVA版『ロードス島』戦記での描写は今でも十分通用するレベルです。あるいは、本作が現代までつながるファンタジー描写の基礎となっているのかもしれません。

 そしてなんといっても惹かれたのが、ディードリットのかわいらしさです。小説の挿絵や表紙では、出渕裕氏の絵柄も相まって超然とした美しさを感じることが多かったのですが、アニメでは感情に応じてころころと表情を変えることが多く、誰よりも年上ですが若いキャラクターとしての魅力が前面に押し出されていたのがたまりませんでした。

 また、オリジナルの女性キャラとして登場したダークエルフのピロテースも、その褐色肌と当時のエルフ描写としては豊かな胸元、アシュラムに捧げる一途な恋心などの要因から人気を博しました。原作者の水野良氏も小説版に逆輸入するほど気に入っていたそうです。

 戦闘シーンも、英雄戦争でマーモ軍のゴブリン・コボルドに翻弄されるファリス軍の騎士や、敵を迎え撃ちながら味方を叱咤するカシュ―、マーモのベルドに大声で一騎打ちを呼びかけるファーン王など、多くの見どころがありました。

 小説が完結する前のアニメ化だったため一部のストーリーや結末などに違いはありますが、非常にハイレベルなアニメだったため、苦労して購入した甲斐はあったと当時の筆者は満足した覚えがあります。

 その後、数回アニメ化された『ロードス島戦記』ですが、筆者にとっては、OVA版が今でも至高の逸品として輝いています。

(ライター 早川清一朗)

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