HD-2D版で復活なるか?『ドラクエ2』の衝撃ボツ案 「サマルトリアの王女」が主人公を刺し殺す!?
ファミコン版の『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』といえば、テストプレイが十分に行われず、「鬼畜難易度」と呼ばれる仕上がりになってしまいました。また、容量の問題もあり、ボツになった案がありました。
「のんき者」のイメージのサマルトリアの王子に衝撃のボツ案が?

ファミコン版の『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』といえば、「鬼畜難易度」がたびたび話題にのぼります。当時子供だったプレイヤーたちには、懐かしくも苦い思い出があるでしょう。高難易度となってしまった理由として、堀井雄二氏は開発スケジュールが押しており、通しでのテストプレイができなかったことを明かしています。また、容量の問題もあり、ボツになってしまったアイデアもあったといいます。
ファミコン版では採用されなかったものの、MSX版で実現したのが、「ムーンブルクの王女」が装備する「あぶない水着」です。ファミコン版では『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』で初登場しました。守備力はないに等しいものの、装備するとキャラの姿が水着姿にグラフィックが変わるという仕掛けに、当時の少年たちは大興奮しました。
MSX版『ドラクエ2』では、王女が装備すると敵がみとれてしまい、1ターン攻撃の手がやむという効果がありました。ところが、容量に十分な余裕ができたはずのスーパーファミコン版以降の『ドラクエ2』リメイクで、あぶない水着は再登場を果たしていません。
また、ボツになったものの、エンディング後の衝撃的な展開も構想されています。『甦る 伝説のRPG大全 Vol.2』(メディアパル)によると、堀井氏は「サマルトリアの王子」を気に入っており、彼にまつわるふたつの案があったといいます。
ひとつめは、ラスボスをサマルトリアの王子が倒すも、彼も刺し違えて亡くなるというものです。さらに、彼の妹であるサマルトリアの王女が、「ローレシアの王子」を「兄の仇」として刺し殺す、という驚きの展開です。世界に平和が戻っても、血みどろの展開になるという、実現していたら「ドラクエ」の歴史が変わっていそうな案です。
そしてもうひとつは、ラスボス撃破後、サマルトリアの王子が「竜王のひ孫」と対決するという案です。竜王のひ孫は、本編では主人公たちに友好的でしたが、良く思っていなかった「ハーゴン」が倒されたあとは、敵対することになったのでしょうか。ローレシアの王子、ムーンブルクの王女とのパーティではなく、サマルトリアの王子が単身で対峙するというところが、「見てみたい」展開です。
スーパーファミコンでのリメイクの際、サマルトリアの王子にまつわるイベントが追加されていますが、気の毒なものでした。「ベラヌール」の宿屋に泊まると、サマルトリアの王子がハーゴンの呪いで倒れてしまいます。彼を救うため、ローレシアの王子と王女のふたりで「せかいじゅのは」を取りに行く必要がありました。「器用貧乏」などといわれがちな、不遇なサマルトリアの王子が輝くイベントが、HD-2D版で用意されていることに期待したいですね。
HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』『ドラゴンクエストI&II』:
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(マグミクス編集部)