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裏番組が強すぎたアニメ『ストップ!!ひばりくん!』 「男の娘」に少年たちは衝撃

裏番組が『ドラえもん』と『銀河漂流バイファム』

著:江口寿史『ストップ!!ひばりくん!』第1巻(集英社)
著:江口寿史『ストップ!!ひばりくん!』第1巻(集英社)

 同性ラブコメという新しいギャグの世界を見せてくれた『ひばりくん』を筆者は存分に楽しんだ……と言いたいところですが、実はそれほど頻繁に見ることができたわけではありませんでした。当時のTVアニメは今のように土日の朝に局ごとに時間をずらして順番に見ることができるようにはなってはおらず、同じ時間帯にアニメ同士がぶつかることは珍しくありませんでした。しかも家庭用ビデオデッキの普及はそれほど進んではおらず、家族間での厳しいチャンネル争いもあり、見たい番組を好きなように見られたわけではなかったのです。

 フジテレビ系列で放送されていた『ひばりくん』には、実に強力なライバルが存在していました。テレビ朝日系列の『ドラえもん』です。時代の最先端を行くジェンダー論を取り込んだアニメと『ドラえもん』。果たして子を持つ親はどちらを見せたがるかと言えば、それは『ドラえもん』になってしまいます。筆者も『ひばりくん』を見ようとすると、母親に「『ドラえもん』にしなさい」とチャンネルを変えられたことがあったような気がします。

 加えて1983年10月からは、名作『銀河漂流バイファム』(以下、バイファム)がTBSで放送されており、同じ時間帯に『ひばりくん』『ドラえもん』『バイファム』が並ぶという現代からでは信じられない状況となってしまいます。

 そういうわけで、筆者は本放送時には『ひばりくん』を十分に楽しむことはできず、後に購入した原作の方で存分に堪能させてもらうことになりましたが、最期は打ち切られ中途半端なところで終わっており、「一体この作品は何だったんだろう?」という気持ちと、週刊でギャグマンガを連載することの恐ろしさを垣間見ることにもなりました。

 結局、『ひばりくん』が完結を迎えたのは打ち切りから27年経った2010年のこと。『ストップ!!ひばりくん!コンプリート・エディション』にひと通り目を通し、今でも通じる面白さを感じたのと同時に、完結を迎えたことへの安堵を感じました。 もし、『ひばりくん』の終わりにひっかかりを感じている方がいらしたら、読んでみることをお勧めします。

(ライター 早川清一朗)

【画像】時代を先取り?可愛すぎる「男の娘」ひばりくん

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