『ワンピ』ルフィの「夢の果て」は相当「子供っぽい」? 最新展開にヒントか
『ONE PIECE』の主人公「モンキー・D・ルフィ」が抱く詳細不明の「夢の果て」は、ファンの間でさまざまな議論がされているなか、また新たな考察の糸口が見えてきました。作中にちりばめられたヒントを紐解くと、ルフィの本当の目標が見えてくるかもしれません。
ルフィの「夢の果て」をめぐる反応にヒントが?

人気マンガ『ONE PIECE』(作:尾田栄一郎)では、作中の重要な謎のひとつに主人公「モンキー・D・ルフィ」が語るも、読者には詳細不明の彼の「夢の果て」があります。ファンのあいだでは、その謎を解く大きなヒントが、最新話付近の情報に隠されているのではないかと話題になりました。
※本記事は『ONE PIECE』コミックス110巻以降の最新展開の内容に触れています。ネタバレにご注意ください。
コミックス105巻1060話では、ルフィが「麦わらの一味」の前で夢の果てを語るシーンが描かれました。そのときのクルーたちの反応はさまざまで、「サンジ」や「フランキー」が大笑いする一方、「ロロノア・ゾロ」や「ナミ」は困惑しており、大きく異なる反応を示しています。
このような反応は、ほかのシーンでも描かれており、幼少期のルフィから夢の果てを聞かされた「ポートガス・D・エース」と「サボ」も、異なる反応をしていました。また、「ゴール・D・ロジャー」がルフィと同じようなことを語ったと思われる場面でも、類似したパターンがありました。
ここでは「白ひげ」こと「エドワード・ニューゲート」がロジャーの言葉を聞いて、笑いながら「ガキでもあるめェし!!!」と言っており、同席していた「光月おでん」は驚いて声を失っています。
こういった周囲の反応や白ひげのセリフから、おそらくルフィとロジャーの夢の果ては同じ内容で、まるで「子供」が思い描くような途方もない夢ではないか、と考えられてきました。そのため、以前からファンのあいだでは、ルフィの夢の果ては「世界中の人と宴をする」「世界中の人を仲間にする」といった内容ではないか、とささやかれていました。
そして最新の1138話では、「エルバフ」の「宝樹アダム」に刻まれた、文化遺産の壁画が登場しました。「大昔の子供の落書き」とされるその壁画の左側には、「ミンク族」「トンタッタ族(小人)」「巨人族」「人魚」「大きなクジラ」「侍」と「忍者」、翼を持った種族、「エッグヘッド編」で出てきた「エメト」のような鉄の巨人、などと思われる多種多様な人物が描かれています。そしてそのなかには、ルフィが「悪魔の実」で変身する「太陽神ニカ」のような姿もありました。
彼らは一致団結し、太陽のようなものを持つ怪物と対決しているようです。この怪物は、「マザーフレイム」を持つ「イム様」のことかもしれません。
巨人族の女性「リプリー」は、この壁画について興味深い解説をしています。彼女によると、この壁画は「空白の100年」の間に描かれたと言われているものの、エルバフに伝わる歴史では種族間の交流はなかったそうです。リプリーは「だから尚更これは…子供の夢なのかもね」と付け加えており、種族間の交流の実現は容易ではないと言うような口ぶりでした。
ネット上では「ルフィは支配するのではなく、自由を求めている人物。だから全種族で宴をするという『夢の果て』は理にかなっている」「すべての種族が共生するという夢なら、ルフィの追い求める『ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)』の名前の意味にもつながりそう」などと、話題の説を支持する声が出ていました。
また壁画が見開きで描かれたページには、考古学者「ニコ・ロビン」が読み上げたエルバフの「神典(ハーレイ)」の内容が被せられています。神典の内容は3章に分かれており、「ハグワール・D・サウロ」によると、3つ目の内容は「この現世の話」「これから起きる事」だそうです。
逆に、読み上げられた神典の内容の「第一世界(第1章)」「第二世界(第2章)」は、おそらく過去のことだと思われ、いずれもエルバフで信仰される「太陽の神(ニカ)」について触れられていました。その一節には、「(太陽の神が現れたことで)地の神は怒り業炎の蛇とともに世界を死と闇で包んだ」「人は太陽を殺し神となり海の神は荒ぶった」と、不穏なことが書かれています。
そして、1、2章ではそういった出来事のせいで「彼らはもう会えないのだ」と記されていました。一部のファンの間では、「『業炎の蛇』は世界を一周して分断している『赤い土の大陸(レッドライン)』のことで、『海の神は荒ぶった』の部分は『偉大なる航路(グランドライン)』や、『海王類』が住んでいて通れない『凪の帯(カームベルト)』ができた経緯の話ではないか」という考察も出てきます。
神典の過去のパートでは、かつての太陽の神、つまりニカのような能力を持っていたと言われる「ジョイボーイ」が負けて、「世界政府」によってさまざまな種族が分断された、ということが解説されているのかもしれません。一方、これから起きる未来について書かれた「第三世界(第3章)」では、「『太陽の神』は踊り、笑い、世界を終末へと導く」「太陽は回帰し新しい朝が来る」「彼らはきっと会えるだろう」と語られています。
壁画と神典の通りなら、現在の太陽の神に当たるルフィが既存の世界を壊し、またいろんな種族が「会える」ようになり、彼の夢の果てが実現するのかもしれません。いよいよ物語の全貌が見え始めた『ONE PIECE』の、これからの展開に注目です。
(LUIS FIELD)