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むしろアニオリ展開に期待したいアニメ 「悲惨すぎ」「救いがない」…その様々な理由

原作つきアニメ作品については、その原作に忠実な映像化がトレンドの昨今、その原作の結末があまりに「アレ」だったことから、むしろアニメオリジナル展開を望む声もあるようです。どのような理由で「改変」が望まれてしまったのでしょうか。

「原作至上主義など知らぬ、存ぜぬ、省みぬ!」

令和版のオスカル役は沢城みゆきさんが務める。劇場アニメ『ベルサイユのばら』より (C)池田理代子プロダクション/ベルサイユのばら製作委員会
令和版のオスカル役は沢城みゆきさんが務める。劇場アニメ『ベルサイユのばら』より (C)池田理代子プロダクション/ベルサイユのばら製作委員会

 2025年1月31日に公開された劇場アニメ『ベルサイユのばら』は、かつてのファンはもとより、新規ファン層も順調に開拓しているようです。原作を知らないものの、そのネームバリューやキャストに惹かれて鑑賞したという、若年層の声も聞かれます。

※以下には『ベルサイユのばら』『【推しの子】』『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の、ネタバレにつながる記述が含まれます。

 ただそうした、いわゆるご新規さんのなかには、物語の結末が悲劇的すぎてショックを受けた、などという声もあるようです。そしてそれが原作に忠実な展開であることを知ると、「そこは忠実でなくていいい」という原作改変を希望する声も聞かれました。なかには「マリーまで殺さなくていいのに」などという、本気なのかボケなのか不明なものも見られます。

 念のために記しますが、『ベルサイユのばら』はフィクションであるものの、史実のフランス革命を題材としており、上述の「マリー・アントワネット」など実在の人物の動向や生死に関わる部分は史実に基づいた内容です。

 さておき、結末が悲劇であったり、救いがなさすぎるといった理由から、「むしろ原作改変を希望する」という声の大きなアニメ作品はあるものです。

『ベルサイユのばら』に関しては、上記のような例はごく一部に見られたものの、やはり歴史の長い作品だけあってか、そのような声はあまり聞かれません。

 昨今の例でいえば、2024年11月に原作マンガの連載が最終回を迎えた『【推しの子】』(原作:赤坂アカ/作画:横槍メンゴ/集英社)が該当するでしようか。

 その結末に関し、おもにネガティブな方向で大いに話題となったことは記憶に新しいでしょう。連載終了から間を置かず発売された単行本最終巻での「描き下ろし」が、事前に喧伝されていたような「とある真相が明らかになる」というほどの内容でなかったことも、火に油を注いだようです。

 こうした経緯から、「原作に忠実な映像化」が主流の昨今ながら、「むしろアニメはオリジナル展開を望む」という声が大きく叫ばれてしまいました。

 本作の連載中からスタートしたアニメ版は、2026年に第3期の放送が控えており、第2期終了時点での原作消化率はまだ半ばといったところです。ここまで原作に忠実な物語を紡いできており、オリジナル展開は「考えづらい」という声が大勢のようではあります。

 同様に、アニオリ展開を望む声の聞かれる作品のひとつに、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が挙げられるでしょうか。

 原作は富野由悠季御大による小説で、実に悲劇的な結末が描かれます。なによりシリーズの主要人物のひとり「ブライト・ノア」について、「あんなに苦労してきた行く末がアレでは救いがない」と、原作発表時から同情が集まってきました。

 劇場版3部作の制作がアナウンスされており、第1部は2021年に公開され、2025年2月現在、第2部の制作が進められているはずです。2021年9月3日に開かれたトークイベントでは、「第2部は、3部作の映画の中で一番小説と違った話になる」というプロデューサーの発言がありました。つまり全体の結末について原作からの大きな改変はないものと見られますが、フタを開けるまでは「ブライトさんの穏やかな老後」という一縷の望みをつなげたい、との声も聞かれます。

(マグミクス編集部)

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