隠れた名作『キャプテンフューチャー』は音楽も最高 『未来少年コナン』の後番組
宮崎駿監督の『未来少年コナン』がNHK総合で再放送され、話題を呼んでいます。1978年10月に『未来少年コナン』が大団円を迎え、同年11月から始まったのが本格的SFアニメ『キャプテンフューチャー』でした。作曲家・大野雄二さんが手掛けた音楽が最高にかっこよかった、『キャプテンフューチャー』の魅力を振り返ります。
『未来少年コナン』の後番組だった

「銀河系最大の科学者であり冒険家、カーティス・ニュートン。だが、人は彼をキャプテン・フューチャーと呼ぶ」
そんなかっこいいナレーションで始まったのが、NHK制作のSFアニメ『キャプテンフューチャー』です。現在、宮崎駿監督の監督デビュー作『未来少年コナン』がNHK総合で毎週日曜深夜に再放送されていますが、『未来少年コナン』の後番組として、1978年11月から始まったのが『キャプテンフューチャー』でした。
SNS上では「『未来少年コナン』、懐かしい」という感想とともに、「『キャプテンフューチャー』も再放送してほしい」という声が上がっています。『未来少年コナン』は民放各局でたびたび再放送され、Netflixでも全話配信中です。でも、残念なことに『キャプテンフューチャー』は、日本ではBlu-ray BOXは発売されましたが、DVD化はされていないという寂しい状況です。
宇宙を舞台にした壮大なスペースオペラとして、1年間にわたって放映された『キャプテンフューチャー』。リアルタイムで観ていた視聴者たちが「もう一度見たい」と思う、その魅力はどこにあったのでしょうか。
広川太一郎さん演じる二枚目ヒーロー
原作小説は、米国のSF作家エドモンド・ハミルトンが1940年から刊行を始めた長編SFシリーズです。主人公はもちろん、キャプテン・フューチャー(CV:広川太一郎)。太陽系政府からの要請を受けたキャプテン・フューチャーが、ロボットのグラッグ(CV:緒方賢一)、どんなものにも変身できる人造人間のオットー(CV:野田圭一)、「生きた脳」サイモン教授(CV:川久保潔)たちフューチャーメンと、宇宙空間で起きた難事件を鮮やかに解決する冒険ストーリーです。彼らが操縦する宇宙ロケット「コメット号」のデザインも、実にいい感じでした。
キャプテン・フューチャー役の声優・広川太一郎さんは、ロジャー・ムーアやロバート・レッドフォードといった洋画スターの吹き替えで人気でした。香港映画『Mr.BOO!ミスター・ブー』(1976年)のマイケル・ホイなどのコメディも得意とし、マスクのCMで披露した「全国的に助かりマスク」などのダジャレナレーションを覚えている人も多いのではないでしょうか。そんなお茶目な広川さんですが、キャプテン・フューチャーはキリッとした二枚目ヒーローとして演じていました。
語りたくなる要素がいろいろとある『キャプテンフューチャー』ですが、とりわけ印象に残っているのは番組の主題歌がめちゃめちゃよかったということです。