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隠れた名作『キャプテンフューチャー』は音楽も最高 『未来少年コナン』の後番組

アニメ史上屈指の名曲『夢の舟乗り』

フランス語版『キャプテンフューチャー』 コンプリート DVD-BOX(AB Video)
フランス語版『キャプテンフューチャー』 コンプリート DVD-BOX(AB Video)

 音楽を担当したのは、『ルパン三世のテーマ』でおなじみの作曲家・大野雄二さんです。軽快なディスコサウンドに乗せた主題歌『夢の舟乗り』は、アニメ史上屈指の名曲ではないでしょうか。タイトルバックのアニメーションと非常にマッチしたオープニング曲でした。

「君を愛した時 忘れてた翼が もう一度 夢の空 飛ぶことを教えた」のくだりは、今でも聴き直すと涙腺を刺激されます。歌詞を担当したのは山川啓介さん。大野さんとは、角川映画『野性の証明』(1978年)の主題歌『戦士の休息』でもコンビを組んでいました。作詞家の山川さんは、特撮ドラマ『宇宙刑事ギャバン』(テレビ朝日系)や世界名作劇場『トム・ソーヤの冒険』(フジテレビ系)などの主題歌も手掛けています。

 エンディング曲『ポプラ通りの家』も、山川&大野コンビによる珠玉作です。地球から遠く離れた宇宙を旅する男の郷愁を綴った内容でした。番組では流れませんでしたが、2番の歌詞はとてもせつないものになっています。『夢の舟乗り』とセットで聴くと、より男のロマンをしみじみと感じことができるはずです。

大晦日に放送された『華麗なる太陽系レース』

 全52話が放映された『キャプテンフューチャー』ですが、1978年12月31日にオンエアされた年末特番『キャプテンフューチャー 華麗なる太陽系レース』も忘れられません。いつもは30分の番組が、この日だけは60分だったのです。サルガッソ(宇宙の墓場)からの脱出劇、さらには太陽系一周レースへの挑戦、と息もつかせぬ展開でした。

 大晦日に放映された『華麗なる太陽系レース』から、『夢の舟乗り』のボーカルはタケカワユキヒデさんに代わりました。それまで『夢の舟乗り』のボーカルだったヒデ 夕樹さんは、代わりに挿入歌『おいらは淋しいスペースマン』をしっとりと歌い上げました。作曲は大野雄二さん、作詞は原作小説の日本語訳を手掛けた野田昌宏さんによるものです。ヒデさんの歌う『おいらは淋しいスペースマン』は、アニメファンにとって『あしたのジョー』(フジテレビ系)の後期エンディング曲『力石徹のテーマ』と並ぶ、隠れ名曲となっています。

 東映動画(現・東映アニメーション)の重鎮・勝間田具治監督がチーフディレクターを務めた『キャプテンフューチャー』は、フランス語版のDVD BOXは発売されていますが、前述したように日本ではDVDは未発売のままです。同年放映の『未来少年コナン』が注目を集めているこの機会に、日本でも気軽に視聴できるようになればいいなと思います。

(長野辰次)

【画像】もっと気軽に見たい!『キャプテンフューチャー』

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