『ドラクエ』後味ワルっ… 世界を救う「主人公一行」の“やらかし”
「ドラゴンクエスト」シリーズの主人公一行は世界を救う正義の人ですが、ときに悪意なく「よろしくないこと」をしてしまうことも……。主人公の判断で、取り返しのつかない事態になることもありました。
正義の人も、ときに「良くないこと」をしてしまう?

「ドラゴンクエスト」シリーズの主人公一行は世界を救う正義の人ですが、ときに悪意なく「よろしくないこと」をしてしまうことも……。ストーリーに影響のないこともあれば、罪のない人を深く傷つけてしまう例もありました。
●『ドラクエ3』国の大事な物を持ち逃げ
『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』で冒険の始まりの地、「アリアハン」を出て、最初にたどり着くのが「ロマリア」です。勇者一行はロマリア王から、盗賊「カンダタ」に盗まれた「金のかんむり」を取り返すことを依頼されます。リメイク版では、カンダタから金のかんむりを取り返さないと、「バハラタ」でのイベントが発生しなくなりましたが、ファミコン版では放置したままストーリーを進めることができてしまいました。
しかし、リメイク版でも金のかんむりを王様に返さなくても、ストーリー進行に影響はありません。「勇者が王様になる」というイベントは発生しなくなりますが、金のかんむりはそこそこ守備力が高く、ロマリア周辺で手に入る装備としては優秀です。「大魔王ゾーマ」撃破後は上の世界に戻れなくなるので、永遠に持ち逃げすることになります。
●『ドラクエ4』ロザリーが人間に殺されたのは勇者のせい?
『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』では、歴代ナンバリングタイトルのなかでもとりわけ悲劇的なエピソードが描かれます。魔族の王「ピサロ」の恋人、「ロザリー」が、彼女が流すルビーの涙を手に入れようとした人間たちに殺されてしまうのです。
そもそもロザリーは「ロザリーヒル」にある、入口が隠された塔におり、「ピサロナイト」に守られていました。しかし、勇者一行が「あやかしのふえ」で塔に入る階段を見つけ、ピサロナイトを倒してしまいます。このせいで人間がロザリーを見つけた……ともとれますが、塔に入らず、ロザリーに会わない場合でもストーリーは進行します。とはいえ、通常プレイでは「自分のせいでロザリーが……」と思わされてしまいます。
●『ドラクエ6』人情味あふれる人物を深く傷つける
『ドラゴンクエストVI 幻の大地』にて、「モンストル」の町を訪れると、主人公一行は夜中に暴れまわる魔物の姿を目にします。この魔物の正体は、戦闘の際にお尻を噛まれたせいで姿が変わってしまった、町を救った英雄「アモス」でした。
町の人びとは、暴れる魔物が人に危害を加えることがないため、アモスに事実を隠していました。主人公一行が「りせいのタネ」をアモスに渡すと、魔物の姿へ自由に変身できるようになります。仲間に加わったアモスは、戦闘中に独自の特技「へんしん」で活躍してくれます。
ところが、りせいのタネを手に入れる前にアモスに真実を話してしまうと、彼は町を去り、仲間に加わることはなくなります。さらに、恩人を傷つけたとして、町の人びとからも冷たい態度をとられてしまいます。良かれと思って真実を告げたせいで、取り返しのつかないことになるという、非常に後味が悪くなるイベントです。
HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』:
(C)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX (C)SUGIYAMA KOBO (P)SUGIYAMA KOBO
(マグミクス編集部)