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【漫画】定時で帰るのを注意され、トイレ回数も監視…理不尽な職場で心を病んだ女性の行動とは?

新卒でとある会社に正社員で入社した、けろちゃんさん。職場での理不尽な出来事の連続に、次第に体調を崩していき……。コミックエッセイ『とりあえず生きてる! ~新卒1年目で心を病んだニートが社会復帰した話~』が発売中です。適応障害とパニック障害を発症して退職した女性の実録マンガです。作者のけろちゃんさんにお話を聞きました。

休職後の生活、社会復帰までの道のりをつづった体験記

体調を崩し、家では布団で泣きながら過ごすように… (C)けろちゃん/KADOKAWA
体調を崩し、家では布団で泣きながら過ごすように… (C)けろちゃん/KADOKAWA

 新卒でとある会社に正社員で入社した、けろちゃんさん(kerochan_manga)。会社への通勤は乗り換えが多く、人込みが苦手なけろちゃんさんはそれだけで疲れていました。それでも仕事は黙々とこなして定時で帰っていたある日、上司に「先輩の仕事も引き受けないと」と言われてしまいます。その日を境に業務量が増え、先輩からも理不尽なことを言われて、けろちゃんさんは次第に体調を崩していきます……。

 けろちゃんさんによる実録マンガが電子書籍化され、『とりあえず生きてる! ~新卒1年目で心を病んだニートが社会復帰した話~』というタイトルでAmazonのkindle版にて2025年1月20日に発売されました。仕事のストレスでパニック障害と適応障害を発症し、休職ののち退職した作者の当時の様子や、立ち直って社会復帰するまでの道のりが描かれたコミックエッセイです。

 心身ともに壊れていく日々や会社の対応などがリアルに描かれているとともに、病気との向き合い方、無職期間の生活、職業訓練校でのこと、社会復帰に向けての具体的な行動など、同じように苦しむ人の参考になるエピソードが収録されています。当時を振り返ったエッセイも追加されており、作者の「お守りのような本にしたい」という願いが込められた内容となっています。

 作者のけろちゃんさんに、お話を聞きました。

ーー『とりあえず生きてる!』ではご自身の実体験が赤裸々に描かれています。マンガに描こうと思ったきっかけを教えて下さい。

『とりあえず生きてる!』を描き始めたのは、会社を退職して病気も落ち着いて、復職できるほど体調が万全ではないけど、何かしたいかもという前向きな気持ちが芽生えてきた頃でした。

 ニートだった頃にInstagramやマンガアプリでマンガを読んでたこともあって、会社を辞めたことや辞めるまでの道のりをマンガという形に残してみたくなりました。日記みたいなものです。

「似たような境遇の方に勇気を分けたい!」みたいな大それたことは当時まったく考えてなくて(そんな余裕はまったくなかったです)、思いつくままに描いていました。軽い気持ちで描き始めたものだったんです(笑)。

電子書籍『とりあえず生きてる! ~新卒1年目で心を病んだニートが社会復帰した話~』 (C)けろちゃん/KADOKAWA
電子書籍『とりあえず生きてる! ~新卒1年目で心を病んだニートが社会復帰した話~』 (C)けろちゃん/KADOKAWA

ーー体調を崩し始めてからの日々の描写が詳細かつリアルで、症状を具体的に感じることができました。マンガを描くうえでこだわったことや心がけたことなどはありますか?

 できる限り真実に基づいて描きたかったので、当時のことを思い出してそのときの自分になりきって描くようにしていました。そのためか体調を崩すことが多々あったのですが、でもノリノリでスムーズに描き進めていたという何とも不思議な状態でした(笑)。

ーー体調不良からの休職、退職、そして社会復帰とつらい経験をされたなかで、ご自身の考え方はどのように変化しましたか? また、同じように仕事で苦しんでいる方には特にどんなことを伝えたいですか?

「生きるスピードは人それぞれ」ということですかね。生きてきた道、これまで考えてきたこと、価値観とか本当に人それぞれだと思うんです。

 仮にまったく同じ人生を歩んだふたりがいたとしても(そんなことはありえないのですが)、それでも感じることはその人によって全然違うものだと思うんです。だから人生のなかで立ち止まるポイントや思うことだって違うと思います。みんながみんな同じスピードで歩める方が不自然だと思います。

 立ち止まったりつまずいたりすることが良くないことのように言われることも多いですが、その方にとっては人生の分岐点だったということもあるので、悪いことばかりじゃないと私は思います。

ーー『とりあえず生きてる!』の読者へメッセージをお願いします。

 自分の人生に責任を持てるような選択をすれば、その選択がそのときは間違いだったとしても、あとあと振り返ってみれば後悔する人生を送ることはないんじゃないかなぁと私は思います! 私はそんな気持ちで生きていきますヨ~! 人それぞれで良いと思います!!

(マグミクス編集部)

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