自転車漫画『シャカリキ!』のほとばしる熱が、今も多くの人を魅了するワケ
ひたすら上を目指す情熱が、周りを、人々を変えていく

亀高に入学したテルですが、今までひとりで自転車をこいできたため、チームとして動く必要がある自転車競技に戸惑います。それでも、ユタの父親でもある自転車部の由多監督に登坂の才能を認められたテルは、ユタや一匹狼の先輩、鳩村たちとともに、石渡山市民サイクルロードレースの最高峰、チャンピオンシップに参戦します。
ここでテルはさまざまな苦難、困難、理不尽を経験しますが、それらのすべてを不屈の熱情で乗り越えていくのです。
この記事を書くために久々に『シャカリキ!』を読み直してみましたが、1コマ1コマに込められた圧倒的な熱は尋常ではありません。見ているだけで、キャラクターたちが発する熱にぐいぐいと心が引き込まれていく感触を覚えるほどです。
近年、自転車競技を扱ったマンガでは、同じ「週刊少年チャンピオン」連載の『弱虫ペダル』が知られていますが、『シャカリキ!』はその先駆者として、堂々とした存在感を発揮している作品と言って過言ではないでしょう。2008年には実写映画が公開されていますが、アニメ化されていないのは少々残念なところです。現在でも十分通用する作品なので、ぜひ検討してもらいたいものです。
そんな『シャカリキ!』のキャラクターたちが、今年の5月20日に発売された自転車競技の専門誌「サイクルスポーツ」2020年7月号の表紙に登場したことは、正直かなりの驚きでした。いまもまだ、『シャカリキ!』を忘れておらず、あの熱を胸に宿した人たちがいたのです。テル、ユタ、鳩村に、2020年になってまた出会えるとは思いもしませんでした。
思えば、『シャカリキ!』という作品は最初から最後まで、ひたすらてっぺんを目指して突き進むテルが発するエネルギーに魅せられて、多くの人がそれぞれの目的を見つけ出していく物語でもありました。今年になり表紙になったのも、2巻までが期間限定無料で読めるのも、こうしてかつての読者である筆者が記事を書いているのも、テルというキャラクターが持つ力が、現実にまで影響を与えるほどの熱を秘めていたからでしょう。
今回の無料公開キャンペーンは2020年6月2日(火)までとなっています。「昔読んでいた!」という方も、「まだ読んだことがない」という方も、ぜひ見てほしい作品です。きっとあなたも、『シャカリキ!』が発する力の虜となるでしょう。
(早川清一朗)





